米テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が現地時間30日、対トロント・ブルージェイズ戦に先発登板し、７回を投げ被安打４本、３四死球、１失点で４勝目を挙げた。

　試合は４対１でレンジャースが勝利。２回にネルソン・クルーズのタイムリー２ベースヒットで１点を先制すると、その後も３回に１点、７回には２点を追加。ブルージェイズの反撃は、エドウィン・エンカーナシオンのホームランによる１点のみ。

　メジャーデビューから着々と存在感を強めているダルビッシュ。今月から現地で流されているチケット販売促進のＣＭには、正捕手のマイク・ナポリと共演している。
　現地ファンからの人気もうなぎ昇りだろうが、そんなダルビッシュが今後、気をつけなくてはならないのが、下半身の問題だ。

　若いメジャーリーガーを楽しませている、いや、悩ませているのが、ベースボール・グルーピーの問題だ。
　グルーピーとは、わが国で言う「追っかけ」だが、その行動はわが国とは比べれらないほど大胆。女の武器でお目当ての選手に迫る。

　米国人ジャーナリスト、ロバート・ホワイティング氏によると、彼女たちは、レストラン、バー、ホテルのロビーと神出鬼没。選手と目があった後、ふざけあい、膝の上に手を乗せ、甘い言葉をささやく。

　メジャーリーガーと言えども男性、いや、もともとマッチョな性格を是とするメジャーリーガーだから、この誘いを断るのは難しい。
　オークランド・アスレチックスなどで活躍したホセ・カンセコによると、彼の知る限りロジャー・クレメンスを除く多くの選手が、少なくともグルーピーと１度は会っている。
　元ニューヨーク・ヤンキースのデービッド・ウェルズは自伝「Perfect I'm Not: Boomer on Beer, Brawls, Backaches, and Baseball」で、「グルーピーと出会う機会をみすみす逃すのは不可能だ」とし、現役時代のクラブハウスでの会話を紹介している。
　以下は、ウェルズが紹介した選手の言葉だ。選手Ａ「火曜の夜、ミルゥーキーで赤毛の女と寝たかい？」、選手Ｂ「ボストンではおっぱいの大きいブルーネット？　大丈夫さ。アナハイムではブロンドの双子姉妹？　少し手間だけど、問題ないよ。スター選手なら相手を指さし、ウィンクされすれば、見栄えのいい綺麗なガールフレンドと向かい合うことができるのさ」。

　なんとも羨ましい話だが、そこは好事魔多し。思わぬトラブルに巻き込まれることも少なくない。

　ストーカーされたり、マスコミに売られたりするのは、まだマシな方。中には、金銭やクレジットカードを盗まれたり、美人局の被害に会うこともある。

　「赤毛のサウスポー」で作家デビューを果たしたポール・ロスワイラーの「熱狂球場」でも、グルーピーの様子が描かれている。
　作中に登場するカレン・ウィンターヘイブンは美しい薬屋だが、もちろん、ドラッグ・ストアにあるような薬を打っているわけではない。
　彼女は、興奮剤であるアンタフェミンや、精神安定剤のトランキライザー、麻薬のマリファナ、コカインを選手や、選手を狙うグルーピーに売っている。さらには、自身も女の武器で選手に迫り、それらの薬を買わせている。

　グルーピーにとって、極東から来たスリムな右腕は格好の獲物かもしれない。

　ダルビッシュに限って、まさかそんなことと思いたいが、彼も人間。しかも、一度結婚に失敗し、女性関係をマスコミにスクープされたこともある。

　私欲を捨て野球に集中せよなど、野暮ったいことは言わない。だが、安心で楽しいナイト・ゲームを。