『Photoshop CS6』が無償でベータ公開中 その新機能をおさらい
アドビ システムズは『Photoshop』の新版『Photoshop CS6』のベータ版を無償で公開しています。昨年5月に発売したデザイン・ソフトウェア製品群『Creative Suite 5.5』には『Photoshop』のバージョンアップは含まれなかったため、2010年5月から約2年ぶりのバージョンアップとなる『CS6』。同製品の新機能を紹介するプレス向け内覧会の発表内容から、主だった新機能を紹介します。
同社は今回のバージョンアップについて「ユーザーの声を反映するバージョン」と説明。ユーザーから寄せられたリクエストにこたえる機能強化のほか、画像処理エンジン『Mercury Graphics Engine』によるパフォーマンスの向上、保存中に作業できる「バックグラウンドで保存」、設定した間隔での自動保存といった生産性を向上する機能が盛り込まれました。この記事では、下記の項目について新機能をハイライトしていきます。
・ユーザーインタフェースの刷新
・写真を扱う機能の強化
・『コンテンツに応じる』機能の強化
・ビデオを扱う機能の強化
・3D機能の強化
●ユーザーインタフェースを刷新
起動してすぐ気づくのが、同社の映像系ツール『Premier』『After Effects』に近くなったユーザーインタフェース。こちらは『CS5』のスタイルに変更することも可能。
ブラシツールでは直径、硬さ、不透明度をツールチップ状に表示する機能が追加されています。自由変形でもサイズを表示するツールチップを表示。
このほか、切り抜きツールでグリッドオプションの種類を増やしたり、写真の遠近感を補正して正面から見た構図に変形する『遠近法の切り抜きツール』の機能が追加されています。
●写真ではぼかしや広角補正を強化写真を扱う機能では、『ぼかしギャラリー』の充実が大きなトピック。「フィールドぼかし」「虹彩絞りぼかし」「チルトシフトぼかし」の3パターンから“ぼけ”を写真に追加できるようになりました。
広角補正では、広角レンズで連続撮影したパノラマ写真を例にデモを披露。ゆがんだ輪郭を線で指定すると、直線に直して全体のゆがみを自動で補正します。
●移動が可能になった『コンテンツに応じる』
背景を合成することで、写真から人や物を消すことができる『CS5』からの機能『コンテンツに応じる』は、『コンテンツに応じた移動ツール』を追加。消すだけでなく、背景はそのままに人や物を移動させることができるようになりました。
背景を合成して人や物を消す『コンテンツに応じた塗り』では、従来はぬりつぶす背景パターンを自動で認識していたため、場所によっては不自然になっていたものが、『CS6』ではぬりつぶすパターンを指定可能に。より自然に消した部分を埋められるようになりました。
●簡単な動画編集は『Photoshop』で可能に
デジタル一眼レフカメラによる動画撮影が普及し、映像系ツールを持っていない『Photoshop』ユーザーにも動画編集のニーズが高まっています。『CS6』では、簡単な動画編集ができる機能を追加。
シーンの開始や終了にフェードを追加したり、シーン間をつなぐクロスフェードの追加が動画のタイムライン上で可能になったほか、レイヤーの追加や音楽などメディアの追加が可能になっています。
●デザイナーが使える3D機能
テキストの3D化や3Dモデルの読み込みといった3D機能は『CS5』から追加されていますが、『CS6』は3Dツールになじみがないデザイナーでも直感的に使えるように3D機能を強化しています。
テキストの押し出しによる3D化、光源やカメラの設定、ねじれなどの変形を利用すれば、3Dロゴなどが簡単に制作できます。
●製品版が当たるキャンペーンも『CS6』ベータ版は、Windows版とMac版が『Adobe Labs』から無償でダウンロード可能。60日間、もしくは2012年5月31日まで利用できます。製品版は2012年上半期中に発売予定とのこと。
詳しいダウンロード方法やベータ版の動作環境(製品版とは異なる可能性あり)は、下記のアドビキャンペーンサイトを確認してください。5月31日までに前バージョンと比べてよくなった点やお気に入りの機能を『Twitter』でつぶやくと、抽選で6名に『CS6』の製品版が当たる『Photoshop CS6 パブリックベータ版 お試しキャンペーン』も開催中です。
Photoshop CS6 パブリックベータ版 お試しキャンペーンhttp://www.adobe.com/jp/joc/photoshop/photoshop/ps6beta/campaign.html
参考記事:
“Photoshopの伝道師”ラッセル・ブラウンさんのデモ鉄板ネタはこれ!
http://getnews.jp/archives/130710
アドビ製品をサブスクリプション形式で提供する『Adobe Creative Cloud』とは何か
http://getnews.jp/archives/154821