15日、北朝鮮の平壌では、W杯3次予選=日本代表×北朝鮮代表の一戦が行われた。結果は0-1で北朝鮮代表が勝利を挙げ、ホームの意地を見せる格好となったが、その試合後、キャプテン・長谷部誠に試合を振り返って貰った。

文=森雅史

長谷部誠、試合後のコメント
「やっぱり向こうのほうが戦っていたと思うし、自分たちももっと戦わなければいけなかったと、自分も含めてそう思います」

――北朝鮮の独特の応援には圧倒されましたか?
「圧倒というか、個人的には別に圧倒はされてませんが、ただ雰囲気として、レフェリングもそうだし、向こうの勢いもそうだし、そういうものには作用したところはあると思います。

ただ、これぐらいで左右されているようじゃ、最終予選のアウェーの試合も、色んなところがあるので、そこを踏まえていい経験と言っては難ですけど、教訓にはなったと思います」

――28分には中村選手が下がって3ボランチ気味になりましたが、選手としてやりやすさはあった?
「相手にけっこうサイドチェンジをされていて、伊野波や駒ちゃん(駒野)のサイドのところで起点を作られて、そこからというのがあったので、そこにオカ(岡崎)とか清武が下がってサポートしていると、ボールを取った時になかなか前に人数がいなくて、という部分があったみたいで。そこを僕たちが消すという意味で行ったんですけどね。もちろん、最初は戸惑いがなかったと言えば嘘になりますけど、でも意図としては非常に分かる形だと思います」

――相手が3バックで来たことに関しては、戸惑ったところはあった?
「でもスカウティングでも、前のウズベキスタン戦は3−5−2というか、5−3−2くらいでやっていたので、そういう形で来るかもしれないということは言っていたので、そのへんのスカウティング、準備の部分では問題がなかったと思います。でも、そこで向こうの勢いというか、激しく来るところはくるし、ボールを持ったら潰しに来るし。そういうところで、僕らももう少し戦わないと。球際とか。もちろん、汚いのは汚いけど、でもそこでもっと戦わないと、次の最終予選ではもっとそういうことがあるから、苦しくなってくるんじゃないかなと思います」

――試合途中に3−4−3にチェンジしたのは初めてでした。最後はシステムどうこうの展開ではなかったですが。
「その部分は難しいところがありましたけど、そういうなかでも臨機応変に、このメンバーはみんな3−4−3を練習しているので。まあ、最後は戦術どうこうっていう感じじゃなかったですけどね」

――16試合で無敗記録がストップしたということは、キャプテンの目から見てどういった意味を持ちますか?
「もちろん、勝ち続けることに越したことはありませんが、勝負事なので負けることもあるし。それが(3次予選突破が)決まったあとだったからまだ良かったですけど、この負けをしっかりと次につなげなきゃいけないと思うし、そういった意味では、これからどうするかに懸かってくるんじゃないですかね」

――今年の最後で負けてしまったのは、来年へのひとつの教訓?
「代表チームとしては今年最後のゲームだったので、勝っていい年を迎えたかったですけど、最終予選でこういうことがあるよっていうことに、みんな気付いたと思うし、そういう意味では収穫でもあると思うので、前向きに捉えてやっていきたいと思います」