つい先日まで、関西で行われていた「第1回女子野球ジャパンカップ」。昨年誕生した、株式会社日本女子プロ野球機構が主催するこの大会には、傘下のプロ球団2チームを含む11チームが、日本全国から参加。高校・大学・社会人・プロが一堂に会する「女子野球版天皇杯」では、兵庫スイングスマイリーズ・京都アストドリームズのプロ勢が、ともに抽選で敗退するというサプライズもあって、埼玉栄高校が初優勝を収めています。歴史的にプロアマの対立が存在しない、女子球界だからこそできた試みともいえますが、いつかはぜひ、男子にも見習ってもらいたいですね。

 さて、そんな女子野球、2011年時点でプロリーグが存在するのは、世界中で日本が唯一(アメリカにも、かつては女子プロリーグがありましたが、現在は消滅しています)という状況ですが、来年からはその状況に変化が生まれそう。日米両国とともに、国際女子球界で3強の座を占めるカナダに、2012 年から新たに「WBL(Women's Baseball League)」が誕生することになったためです。

 このリーグの初年度に参加するのは、ガルフ・ロイヤルズ、ナイアガラ・フォールズ、ロンドン・メトロ、セントキャサリンズ・スタンダードの4球団。シーズンは5月から9月までの4ヶ月間で、ホームとビジター8試合ずつの計16試合を戦います。月給は200$で、ユニフォームも支給されるとか。 1000人から5000人規模のスタジアムを本拠地とし、野球教室を開催したり、12歳未満の入場料は無料にするなど、いろいろ工夫して運営するようです。すでにトライアウトも開催され、100人以上が集まったとか。

 実はこの話、俺自身もちょうど今朝、野球ふぁんさんのブログ「野球を語る」をたまたま見て知ったんですが、一目で「これは面白そうだなぁ」と心惹かれてしまいました(笑)。かなり本格的にやっていくようで、非常に楽しみなアイデアだし、自分としても応援したいですね。スポンサーなんかも付いているようなので、遠征費に関してもあまり心配する必要はなさそうです。1つ、僭越ながら提案させてもらえるなら、「ぜひGPBLとも交流を深めてもらいたい」というところでしょうか。

 「オンリーワン」と呼べる存在には、それだけで大きな価値がある一方で、非常に孤独な側面もあります。これまで、世界唯一の女子プロリーグだった GPBLには、同業者として交流を深めつつ、お互いを高めあっていくような存在がいませんでした。他に同じことをやっている人間がいない以上、誰にも頼ることはできないし、誰も参考にはならない。それゆえ、関係者としても非常に手探りな中で、自分たちだけで「運営の教科書」を作っていかなければならなかったわけです。今回のリーグ立ち上げは、そんなGPBLにとっても、非常に好ましいニュースになることでしょう。GPBLとWBL、まだお互いに生まれたばかりの幼い「姉妹」が、一緒に発展していけたらいいですよね。