■ 第4節

ドイツ2部の第4節。一部昇格を目指すボーフムは、ホームでザンクト・パウリと対戦。

ボーフムは1勝1敗1分けで、ザンクト・パウリは2勝1分け。セレッソ大阪から移籍のMF乾は、第3節のハンザ・ロストック戦で初のベンチ入りを果たしたが、味方に退場者が出たこともあって出場機会なし。この試合が初出場で、初スタメンとなった。ボーフムのシステムは「4-2-3-1」で、MF乾はトップ下に入った。北朝鮮代表のFW鄭大世は欠場が続いている。

■ ボーフムは逆転負け

試合は前半7分にホームのボーフムが先制する。バイタルエリアでボールを受けたMF乾から、MFフレイヤー→MFダブロウスキとテンポよくダイレクトでパスがつながると、裏に抜け出してゴール前でフリーになったボランチのMFダブロウスキが落ち着いて決めてボーフムが先制する。

しかし、その後は、アウェーのザンクト・パウリのペースとなる。10番のMFタキを中心に反撃を見せると、前半32分に右サイドを崩して、最後はファーサイドで待っていたFバルテルスが決めて1対1の同点に追いつく。前半は1対1で終了する。

前半は先制ゴールに絡んだプレー以外は、あまり見せ場を作れなかったMF乾だったが、後半20分あたりを過ぎた頃から、チャンスに絡み始める。最大の見せ場は後半25分あたりのプレーで、ボーフムがカウンターからMFフレイヤーがドリブルで運んで数的優位の状態を作ると、最後は左サイドを走ってきたMF乾にラストパス。MF乾はフリーで右足でシュートを放つが、惜しくも枠外でビッグチャンスを逃す。

さらに、その直後にも、バイタルエリアでボールを受けたMF乾が、ドリブルで相手一人をかわしてから左サイドの味方に決定的なパスを送るが、GKと1対1になったチャンスを決められず。二度のビッグチャンスを逃したボーフムに対して、ザンクト・パウリは後半39分にカウンターからMFクルースが決めて2対1と逆転に成功する。結局、試合は2対1でザンクト・パウリが勝利。MF乾はフル出場を果たすも、初ゴールと初アシストはおあずけ。ボーフムは1勝2敗1分けとなった。

■ 初スタメンのMF乾

チームに合流してから、まだ10日ほどしか経っていないMF乾は、いきなりスタメン出場。「4-2-3-1」のトップ下で攻撃をリードした。MF乾というと、好不調の波の激しい選手で、「いい」 or 「悪い」のどちらかに偏ることが多いが、この日は「普通」の出来だった。

ポジションがトップ下というのは意外だったが、まずまず、ボールも集まっていた。雨ということも影響したのか、ドリブル相手を抜こうとしたときに、相手の足に引っかかることが多く、ボールを失うシーンも目立ったが、、運動量はあって、いいタイミングで動いたときは、味方からパスも出てきた。合流してから10日ほどしか経っていないが、チームメイトとコミュニケーションは取れているように感じられた。

ドリブルで仕掛けたときにボールを失うプレーについては、「積極性があるのでOK」と考えるか、「リスキーなプレーはなるべく避けてほしい。」と考えるかは、監督次第なので、今後、矯正される可能性もあるが、「キレ」や「スピード」といったところは、まず、間違いなくリーグ内でもトップクラスのはずである。

そういった「リスキーなプレー」も、結局のところ、コンスタントに結果に結びつけることができれば容認されるはずなので、とにかく、早い時期に「ゴール」や「アシスト」という目に見えるものが欲しい。この日は、惜しいチャンスがあったので、次の試合に期待したいところである。

■ ボーフムは2敗目

ボーフムは、前節のアウェーゲームと比べるとパスも回っていた。第3節のハンザ・ロストック戦では、あまりいい試合ができなかったが、MF乾というボールの持てる選手が入った影響もあるのか、細かいパスが何本かつながるシーンもあって、攻撃は悪くはなかった。

気になるのは、守備である。この試合は、「4-2-3-1」を採用したが、開始早々にMFダブロウスキというスタメンで出場した選手が負傷退場した影響もあったのか、中盤でフィルターがかからずに、あっさりとボールを前に運ばれるケースが多かった。ザンクト・パウリは、昨シーズンは一部で戦ったチームで、昇格候補の1つなので、力のあるチームであるが、この試合の守備陣を見ると、かなり不安である。


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