なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)、決勝進出! おめでとうございます!(略して「なでおめ」!)

川澄選手の2ゴール、澤選手の「執念のヘッド」で3−1。スウェーデンに勝ちました。
10年余り前、スウェーデンには0−8ぐらいで負けていた。日本女子、すごい成長。

試合内容などはほかのブログでも書かれているので、きょうは少し別の角度から。

「なでしこ、なでしこ」と、こんなに注目されるのは初めて。日本中が花屋さんにでも
なったようです。しかし、結構長い間、日本の女子サッカーに注目してきた者としては、
この盛り上がりが「瞬間風速」で終わらないようにしてもらいたい。

そのためには、女子サッカーの環境整備をしっかりしてほしい。

1)とくに、中学校の女子サッカー部をつくってもらいたい。

今回の「なでしこ」の活躍で、全国の女の子がサッカーに興味を持つでしょう。
小学生なら、地元の「サッカー少年団」などにはいって、男の子たちに負けないで、
ボールを追いかければいい。

しかし、小学校を卒業したとき、サッカー少女たちはサッカーが続けられなくなり、悩んだすえに、バスケットやバレーボールに転向する。なぜなら、中学校に女子のサッカー部がないから。あるにはあるが、とても少ない。大会も開かれていない。この年代「13歳〜15歳」が、女子サッカーの暗黒の年代。

もちろん、中学時代にクラブチームでサッカーを続けたり、他のスポーツをしていて、高校入学時に女子サッカー部のある所に入学してサッカーを「再開」する生徒もいる。しかし、総数は多くない。中学年代の「暗黒」が砂時計のくびれのように、女子選手人口を圧縮し、サッカー大好き少女たちの希望を押しつぶしている。

1校でむずかしいなら、2校、3校合同で中学女子サッカー部(クラブ)を作るようなアイデアも考えてほしいものです。ぜひ、お願いします。

2)なでしこの選手たちが安心してプレーできる環境を

スウェーデンに8−0で負けていたころ(20世紀の末)、Lリーグこと日本女子サッカーリーグはつぶれかかりました。なんとか存続はしましたが、多くのチームが廃部になったり、スポンサーが撤退して、消滅してしまいました。バブル経済の崩壊です。

日興證券、フジタ、日産、松下、シロキ、シダックス、沖電気、鈴与清水……

最近でも、2008年に当時の強豪チームだった田崎ペルーレ(田崎真珠)が「休部」し、当時の日本代表キャプテン磯崎(現池田)さん、大谷さんなど代表クラスの多くの選手が「引退」に追い込まれました。

ペルーレの選手だった坂口さんは、チームがなくなった後、北米リーグを経て、新潟に移籍し、日本代表として活躍していますが、ほんとうに頑張り屋さんです。

女子チームの基盤は非常に不安定。知り合いの中にも、チームが解散したために、悔し涙にくれた人がいます。現在の代表の中にも、「サッカーをやめなければ」という瀬戸際に追い込まれた人が何人もいます。

男子のJリーガーのセカンドキャリア(引退後の生活)も大変ですが、女子は現役時代から、すごい苦労をして、まるで虐げられているような状況で、それでもサッカーが好きで続けてきた。

彼女たちの多くが語る「サッカーができる喜び」というのは、そういうつらい悔しい先輩たちの(自分たちの)経験があるから、胸にしみます。

いまの「なでしこブーム」。うれしいことではありますが、マスコミの方がたは、面白半分で、中途半端に取り上げないでほしい。リスペクトして下さい。

それから、まだ決勝戦が残っていて、ちょっと気が早いかも知れませんが、今月24日から再開される「なでしこリーグ」、見に行きましょう。応援しましょう。

そういう思いを込めて、ぜひ、ワールドカップは優勝してほしい。一度も勝ったことのないアメリカが相手だけど、だからこそ、ぜひ勝ってほしい。心から、そう思います。

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