いつのまにか3位に後退してしまったインテル。対戦するは、4位にいるラツィオ。CLのストレート参加。そして、優勝争いを意識すると、インテルはどうしても負けられない試合である。何よりも、インテルの場合、レオナルドの去就が注目されている。ベニテスがどうするかも気になるが、レオナルド監督は自分の手腕を証明したいところである。

 ■11人で守備をするのだ

 インテルのシステムは4-3-3。このブログを読んでいる人を騙すという意味での悪意をもって表現すれば、バルサのメッシがいないシステムにちょっと似ている。エトーを左、スナイデルを中央、ミリートを右に配置して試合に臨んできたインテルだった。エトーは完全に左サイドに固定されていて、ミリートは右から中央に飛び出してくる形が多かった。スナイデルは最前線から中盤までのスペースをうろうろしていた。

 エトーの左サイドはシャルケ戦でも目撃されている。ルーニーのサイドもそうだが、能力の高い選手は中央でもサイドでもそれなりに機能することができる。しかし、彼らの力を最大限に発揮することを考えると、中央で好き勝手にやらせたほうが吉である。最近のユナイテッドはルーニーをトップ下にするシステムで、一気に覇権をつかみにかかっている。インテルで言えば、シャルケ戦のファーストレグでミリートとエトーに好き勝手に暴れさせた形が得点の気配を感じさせたと考えている。

 そうか、レオナルドはチームをいじって失敗させたのだなと。しかし、変更は守備において、ポジティブな変化もたらせた。インテルが4-3-3で守備をしていたのである。いつも4-2で守ったり、4-3で守ったりしていたインテルが11人で守備をしようという気持ちを見せたのだった。エトーは長友の近くまでリヒトシュタイナーをおっかっけていた。

 つまり、とうとう守備をいじったレオナルドである。全員で守れないから攻守が効果的に機能しないとさんざん言われてきたインテルからすると、大きな一歩である。しかし、ミリートは守備の機会がそんなになく、スナイデルは中央で熱心に守備をしていなかった。むしろ、スナイデルに守備を免除させるための変更かなと見ているが、スナイデルにしては守備をしていた。そして、周りに俺達についてこいよと指示していた。珍しい現象である。

 大きな一歩だが、いきなり機能するわけはない。前線のプレスが効くと思ってポジショニングを高くしたら、簡単にプレスを回避される場面もあった。なので、大きな一歩を踏み出したのだが、危なっかしいインテル。でも、この路線で頑張ってもらいたい。しかし、中盤でプレスがかからずに、順々にプレスを外されて、GKとの一対一。そして、セザールがサラテを倒して、一発退場&PK。これを決められるインテルであった。

 ラツィオについて少し。基本的には前線の4枚がやっぱりスペシャル。後方の選手たちがボールを落ち着かせて、前線の4枚がポジションを変えながらボールを引き出す。サイドのスペースがあけば、SBの選手が飛び出してくる。レデスマとブレッシアーノは試合を作る意欲も能力もあるので、この戦い方がなかなか機能していた。ただし、ブレッシアーノのほうが目立っていて、さらに危なかしかった。ただし、みんなボールに触りたがりのせいか、ちょっとかみ合っていない場面がみられた。

 ■10人になっても

 チームをいじっている最中に、失点&退場のダブルパンチをくらったインテル。ミリートを下げて、4-4-1にシステムを変更した。ワントップはエトーで、スナイデルは左に移動した。そして、インテルは高い位置で守備をしてもダメなので後方で4-4ブロックを形成していた、。注目をあつめるのはスナイデルである。はたして彼は守備をしたのだろうか。