25日に行われるユーロ2012予選ルクセンブルク戦(および29日の国際親善試合クロアチア戦)に向け、21日からパリ郊外クレールフォンテーヌで合宿に入ったフランス代表。メディアの関心は「ナイズナの反乱」と呼ばれるW杯南ア大会での練習ボイコットを首謀したとされる2選手の代表復帰に集中した。

 初日の練習を終えた会見で、チームが2人をどのように迎えたかを問われたブラン監督は、「まあ当然だと思うけど、ボンジュールと言ったよ」と雰囲気を和ませた後、「特別な迎え方はしなかった。ただこれから特別な話し合いをするだろう」と語った。

 エヴラに代わって主将を務めるアルー・ディアラ(ボルドー)は、復帰した2人のようすについて「感激し、決意にあふれ、やる気に満ちていた」と話した。ディアラはエヴラに「ごく自然に語りかけた」というが、その内容は「過去のことよりこれからのこと」で、リベリにも同様に話しかけるつもりだという。

 DFのバカリ・サニャ(アーセナル)は、練習の雰囲気について「とてもリラックスしていた」と語った。

 最大の懸念は、噂されたリベリとMFヨアン・グルキュフ(リヨン)の不仲だが、リベリは「メディアに僕らの間に何の問題もないと言ってみたところで仕方がない。僕らはすでにこのことについて話し合っている。僕が悪者で、彼がかわいそう、という印象はどちらにとってもありがたいことじゃない。この機会にお互いの気持ちを通じ合わせたい」とわだかまりの払拭に努める考えを示した。

 W杯で“空中分解”したフランス代表。すでに復興の道を順調に歩みつつあるが、ブラン監督は、やはり戦力として重要なエヴラとリベリの復帰をクリアして、はじめて本格的な再スタートが切れるという青写真を描いていたようで、その機会に選ばれたルクセンブルク戦は、フランス代表のこれからにとって、大きな意味をもつ一戦となる。

 また監督には、今季いまひとつ本来の力を発揮できずにいるグルキュフが、これを機会に過去と訣別し、シーズン終盤に向けて力強く復活してほしい、という期待があるに違いない。