実はほとんど役に立っていない人体の部分20
人の体はいろいろな器官やパーツから構成されていますが、全てがなくても生きてはいけます。
なくても別に困りもしないものもあり、それも含めて人体なのですが、中でもほとんど役に立っていないと考えられている20の部位をご紹介します。
鋤鼻器 (じょびき)
現在は機能していない嗅覚器官で、昔はこれでフェロモンを受容していたのではないかと考えられている痕跡器官。
耳動筋
ウサギや犬のように、先行人類はこの筋肉を使って耳を片方ずつ動かすことが出来たようで、訓練によって耳を動かすことができるのは、この筋肉によるものだそうです。
親知らず
昔の人々はカロリーを摂取するために、もっと植物の咀嚼(そしゃく)する必要があり、いちばん奥の臼歯として役立っていました。現在では健康に生えそろう人は5%しかいないとのことです。
頚肋骨 (けいろっこつ)
爬虫類時代からの名残と言われる器官。1%未満の人にあり、神経や動脈に支障をきたすこともあります。
第三眼瞼(だいさんがんけん)/ 半月ひだ(はんげつひだ)
鳥や哺乳類などはゴミをはじいて目を保護するためにある膜を持ちますが、人間は目の下部に少し残っているに過ぎないそうです。
ダーウィン結節
[画像を見る]
耳の折れ曲がった部分のぽちっと厚くなったところですが、これは遠くからの音声を聞くために大きな形をしていたものが退化した名残だそうです。
鎖骨下筋
肩の下部にある第一肋骨から鎖骨までを引っ張る小さな筋肉で、4つ足で歩くのに役立ちます。人によって全くない人や1?2本持つ人がいるそうです。
長掌筋 (ちょうしょうきん)
肘から手首まで細長く伸びている筋肉のことで、11%人は持っていないそうです。ぶらさがったりよじ登ったりするのに重要だったようですが、現在は移植手術のために摘出して使われることがあるそうです。
男性の乳首
胎児の段階でテストステロン(男性ホルモン)が性別を分ける前に形成され、乳汁を分泌する器官ですが、男性の場合は乳汁を生成する機能がありません。
立毛筋
動物が体温の保持や敵への威嚇のために毛を逆立てる筋肉で、人間の場合は鳥肌がこれにあたります。人間がほとんどの毛を失ってしまったことがわかります。
盲腸
大腸と接合した細長い筋肉で、食事にもっと多くの繊維が含まれていた時代は食物の分解を助けていたそうで、善玉菌の維持に強く貢献しているそうです。アメリカでは年間30万人が虫垂切除を行っているようです。
体毛
眉毛は汗を止めるのに役立ったり、ヒゲは性的魅力を高めるなど、小さな役割を持ちますが、大半の体毛はほとんど役に立っていないそうです。
足底筋
大昔の人々には足でモノをつかむなどの機能がありましたが、9%の人々にはすでに喪失しているそうです。
13番目の肋骨
チンパンジーやゴリラには肋骨が13本あり、現代人のほとんどは12本ですが、8%の成人は13本あるそうです。
男性の子宮
男性の前立腺にぶらさがった、未発達の女性の生殖器官としての痕跡器官があります。
足の第5指
猿は足の指全部を、物をつかんだり木からぶらさがったりするのに使いますが、人間は主に親指だけを歩行時のバランスをとるため使うそうです。
女性の精管
男性の精子を尿道まで運ぶ管は、女性の場合は卵巣の近くで機能のない行き止まりの管となるそうです。
錐体筋(すいたいきん)
すでに私たちの20%には、この錐体筋と呼ばれる恥骨上縁に付着する袋のような形の筋肉がありませんが、これは有袋動物の名残かもしれないと言われています。
尾てい骨
ほとんどの哺乳類がバランスをとる機能として尻尾を持ちますが、その名残が椎骨と融合したとされています。二本足歩行が可能になる段階でその役目を終えたようです。
副鼻腔
大昔の人々はサバイバルのために現代の人々よりも匂いに対して敏感だったと想像されますが、現在でも粘液でいっぱいの空洞の管が残っている理由は、よくわかっていないそうです。
こうしてみると、いろんな痕跡器官が結構あるものです。
進化の軌跡だったり、昔の名残として、小さな痕跡を残しながら、身体の変化も時の流れに沿っていくことがわかりますね。
20 Useless Body Parts (Why Do / Did We Need Them?)
らばQ【実はほとんど役に立っていない人体の部分20】より関連記事
・ 青空を眺めてると見える、目の上を泳いでいるようなチカチカ「飛蚊症」の謎
・ 助かる命…脳梗塞の人を見分ける方法
・ 泣いたり笑ったり…表情は環境より遺伝が決める
・ 目の盲点が面白いようにわかる図─脳は見えていない部分を補っている
・ 意外?やっぱり?自分の体で出来ない10のこと