金曜日、セーフコ・フィールドで行われた対レッドソックス戦の試合中に、ダグアウトでショーン・フィギンズ二塁手とドン・ワカマツ監督とのあいだのもめ事がきっかけで、チームメートやコーチまで巻き込んでつかみ合いの騒動が起きた(7月24日付シアトル・タイムズ)。

 もめ事の直接の原因は、5回表のフィギンズの怠慢と見えるプレーだった。レッドソックスの先頭打者、マイク・キャメロンがレフトに二塁打を放った。これを処理したマイケル・ソーンダース左翼手の返球がそれたが、フィギンズが遊撃手のバックアップに回らず、ボールが内野を転々とする間にキャメロンが進塁した。

 マリナーズの先発、ジェイソン・ヴァーガス投手は続く3人を打ち取り、キャメロンは三塁に釘付けのままで、結果、ことなきを得たが、ダグアウトに戻ってきたフィギンズは監督から交代を言い渡された。

「バックアップに回ろうという努力が見られなかった」と監督は述べ、交代が怠慢プレーに対するペナルティであることを認めたが、フィギンズとのあいだにどのようなやり取りがあったかについては「ダグアウトで起きたことは外には出さない」として明かさなかった。

 マリナーズはここ数試合で走塁ミスが目立ったが、いずれの選手も交代させられていない。監督はその理由を「明らかな怠慢プレーではなかった」としている。

 ケン・グリフィー・Jrがいなくなってから、チームのまとめ役となり、今回の騒動でも仲裁役となったラッセル・ブラニヤンは「チームの状況(最下位)が状況なので、みんな気が立っている。ワック(監督)はぼくたちが一生懸命プレーしていないと感じたのだと思う。フィギーは外されてショックだったのだろう」と述べた。

 今回の騒動の根底には、グリフィーの突然の引退を巡って、選手たちのワカマツ監督への不信感がある。引退前の2週間ほど、監督とグリフィーはまったく言葉を交わさなかった。そのため、一部の選手たちは監督がグリフィーを引退に追い込んだと感じている。

 フィギンズに代わって5回の打席に立ち、さっそく二塁打を放ったジョシュ・ウィルソンは「チームが負けていると、空気がぴりぴりしてくる。今回の騒動が一種のガス抜きになればいい」と述べた。