まゆ毛を上げてあごを突きだしながらドレッシングルームを出るということは、イングランド代表のファビオ・カペッロ監督が明らかに満足していないことの表れだったと言えるだろう。同監督は9日、カメラマンに対して「どうしてドレッシングルームの写真を撮っているんだ? なぜだ? なぜだ? 言い訳はできないぞ」と激怒したのだ。

カペッロ監督が怒りを見せたのは数秒間のことだったが、イングランド代表キャンプ地の話題になるには十分だった。英『BBC』の責任者は「カペッロが怒りをあらわにしたのは、おそらく全体を包んでいるアドレナリンの表れだろう。全員が今回のワールドカップが始まるのを待ち遠しく思っている。だが、選手たちが監督の指示に従わなかったら、ドレッシングルームの中でこういうことになるかもしれないという例でもあるだろうね」と話している。

『タイムズ』のカメラマンは「カペッロ監督はカメラマンたちがドレッシングルームの方を向いているのを見て、(マッサージを受けていたマイケル・)ドーソンの写真を撮っていると思い、我を忘れたんだ。行きすぎたリアクションだったのは間違いない。我々の誰もシャッターを押していなかったからね」と語った。

イングランドは12日にアメリカとの初戦を迎える。準備しているのはイングランド代表チームだけではないようで、この一戦を担当するブラジル人のカルロス・シモン主審は、20のスラングを学び、自身の英語力に“磨き”をかけているとのことだ。