上海万博の日本館は5月1日の開幕以来、日本国旗の日章旗(日の丸の旗)を18日まで掲揚を見合わせていたが、中国国営の新華社は菅新内閣関連記事で、日本をイメージさせるシンボルとして「堂々と」使った。

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 上海万博の日本館は5月1日の開幕以来、日本国旗の日章旗(日の丸の旗)を18日まで掲揚を見合わせていたが、中国国営の新華社は菅新内閣関連記事で、日本をイメージさせるシンボルとして「堂々と」使った(写真)。

 上海万博の日本館は当初、国家元首級の重要人物が来館した時だけ「日の丸」を掲揚する方針だった。その後、国旗掲揚に関する他国の方針を調査した結果、悪天候時を除き、中国国旗とともに常時掲揚することに決めた。掲揚は5月19日からだった。

 同問題では石原慎太郎東京都知事が「日本はたくさん出資をして(日本館を)作った。日中友好のためだった」、「日本の国旗が揚げることができない、揚げることをはばかっている」、「本当におかしな話だ」と発言するなど批判が出た。日本国旗の掲揚について、中国側から自粛要請があったわけではないという。

 一方、新華社は菅新内閣の閣僚名簿の表の目立つ部分に、「日の丸」を掲載した。風になびくようなデザインにして、日本をイメージさせるシンボルとして「普通に堂々と」使った。

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◆解説◆ 日章旗は世界各国の国旗と比較しても極めてシンプルなデザインであるだけに、「シンボル効果」はかえって強いと考えられる。中国では「日の丸」のイメージがかつての戦争と結びつき、憎悪の対象にもなった。現在も、反日感情を持つ者が、日の丸のデザインを女性の生理用品になぞらえて罵倒することがある。

 しかし中国政府が現在、「日の丸」を各国の国旗と同列に扱うようにしていることは明らか。海上自衛隊の護衛艦が中国を親善訪問した際、国営通信社の中国新聞社などが「旭日旗」をバックに、海自護衛艦を訪問した中国海軍の軍人の姿を写真記事として配信したこともある。(編集担当:如月隼人)



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