前節でマルセイユが優勝を決めたリーグ・アン。8日に行われた第37節は、来季のチャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグの出場権をかけた上位争いが焦点となった。

 2位のリールとマルセイユの対戦では、両者の試合にかける意気込みの違いが明らかに見えた。2度にわたりリードされたリールだが、マルセイユGKマンダンダの退場(25分)による数的有利を生かし、じわじわと攻めつづけ、ロスタイムに試合をひっくり返した。

 リールを追うオセールとリヨンはともに引き分け。3位オセールはリールに2ポイント、4位リヨンは4ポイントの差をつけられた。リヨンは1試合消化が少ないが、残り2試合に連勝しないとCL出場権を逃す可能性がある。

 その不安は、試合後のオラス会長の行動に表れた。レキップ紙によると、会長は試合終了とともに審判団の控え室に駆け込み、判定に激しい怒りをぶつけて抗議した。

 問題となった判定は、81分にゴール前の混戦でバランシエンヌに与えられたペナルティー。バランシエンヌFWのピュジョルは、リヨンGKロリスとの軽い接触で、大げさに倒れ込んだ印象があった。このペナルティーで1点をリードされたリヨンは、ロスタイムに同点に追いつき、辛うじて最悪の事態だけは免れた。

 「ブレ氏にありもしないペナルティーをとられた」と抗議するオラス会長。「昨年も彼の判定ミスでボルドーに敗れたんだ」と、主審が“因縁”のあるブレ氏だっだことで怒りが増幅したようだ。ついには「ひょっとしたら、これで2000万ユーロ(約23億4000万円)だぞ!」とCL出場権を逃した場合のマイナス勘定まで思わず口をついた。

 “商売人”として知られるオラス会長らしい反応といえるが、たしかに10シーズン連続出場でCL常連となったリヨンが、初の準決勝進出を果した翌年に出場できないとなるとショックはあまりに大きい。残り2試合に臨む選手の重圧は相当なものになるに違いない。