18日に行われたワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフ・セカンドレグで、フランス代表が本大会への切符を手にすることへとつながった、FWティエリ・アンリのハンド。今回のハンドは、英紙『タイムズ』のコラムニスト、ビル・エドガー氏が個人的に選ぶ、「W杯にまつわる“恥ずべきプレー”トップ10」に入る“権利”がある。

6位に選ばれた元エクアドル代表アンドレス・エスコバルに関しては困惑する面があるが(同選手はW杯でオウンゴール後、母国で射殺されている)、エドガー氏によるランキングは以下のとおり。

1位:ディエゴ・マラドーナの“神の手”ゴール(1986年メキシコ大会準々決勝)
ヘディングが届かず、意図的に手でGKピーター・シルトンをあざむいたゴール。まったく良心の呵責を感じないマラドーナ本人が「神の手」と命名。

2位:シューマッハーの体当たり(82年スペイン大会準決勝)
フランス代表パトリック・バッティストンは西ドイツGKシューマッハーの体当たりを受け、意識を失い、歯を折られた。だが、フランスにはフリーキックすら与えられなかった。

3位:ジダンの頭突き(06年ドイツ大会決勝)
イタリアDFマルコ・マテラッツィの腹部に対するジネディーヌ・ジダンの頭突きは、偉大な選手としてのキャリアに幕を下ろすうえで最悪の方法となってしまった。

4位:ジョーダンのハンド(78年アルゼンチン大会予選)
ペナルティエリア内でスコットランドFWジョーダンがハンドを犯したにもかかわらず、主審はPKを与えた。

5位:マリオ・ダヴィドのカンフーキック(62年チリ大会)
「サンチャゴのバトル」と呼ばれた激しい一戦の、もっともセンセーショナルのエピソード。チリのレオネル・サンチェスがまずイタリアのダヴィドにパンチを見舞い、その報復としてダヴィドはサンチェスの頭にとび蹴り。ダヴィドは退場処分となった。

6位:エスコバルの不運なオウンゴール(94年アメリカ大会)

7位:西ドイツ、オーストリア戦の“楽勝”(82年スペイン大会)
ルベッシュの最初のゴール以降、試合を通じて両チームが時間稼ぎに終始した一戦。その代償を支払うことになったのはアルジェリアだった。

8位:マラドーナの薬物使用発覚スキャンダル(94年アメリカ大会)
ギリシャに圧勝したアルゼンチンは再生したかのようだった。マラドーナはゴールを決めてから、テレビカメラに向かって咆哮。だがその数日後、禁止薬物の陽性反応が見つかり、大会を追われることとなった。

9位:フランス対クウェート戦でのゴール判定(82年スペイン大会)
4−1となるアラン・ジレスのゴールにクウェートが激怒。ファハド王子がピッチへ降り、チームを引き上げると脅す事態に。結果、旧ソビエト連邦の主審は認めたゴールを取り消すことを決めた。

10位:ラッティンの退場拒否(66年イングランド大会準々決勝)
アルゼンチンMFアントニオ・ラッティンが退場処分に抗議。同選手をピッチから退かせるのに8分間も要し、パトカーまで使用する事態に。チームメートたちは一緒に出て行くと脅している。最終的にはイングランドのジェフ・ハーストのゴールが決勝点に。