J1ジュビロ磐田は、9月3日現在16位と低迷。J2降格に危機に陥っており、先月28日には、成績不振のため、内山篤監督を解任。元日本代表監督のハンス・オフト(61)就任を発表した。

オフトは、いわゆる「ドーハの悲劇」(93年)時の代表監督としても有名で、日本のファンにとっても馴染みがある外国人監督の一人。しかしながら、ジュビロサポーターを中心とした一部のファンの間では、「なぜいまさらオフトなのか?」という声も上がっている。

実際、オフトは02年〜03年に浦和レッズで監督を務めたのを最後に、約5年の間、監督業から離れており、長期のブランクに不安の声が出るのは当然。だが、オフトのジュビロ監督就任の裏側には、フロント陣による違った狙いもあるという。

それは、オフトに課す驚くべきミッション=チーム1の人気者、“ゴン中山”こと中山雅史を引退させることにあるようだ。9月に41歳となる中山は、オフトが代表監督時代に代表入りを果たし、いわば師弟関係にある。

ジュビロ最大の功労者で、“ドーハ組”といわれる中山に引導を渡せるのは、オフトこそ相応しいとされ、また、オフトはレッズ監督時代に、同じく“ドーハ組”と呼ばれる福田の引退にも携わり、当時のサポーターから大きな反発が起こったものの、結果的にはレッズのチーム若返りに貢献した実績もある。

そんなジュビロの近年は、当時のレッズよろしく、新陳代謝のタイミングを逸し低迷の一途を辿っており、オフトにしか成し得ない、チームの抜本的改革に期待が寄せられているという訳だ。