高いSEO技術を元に、その道の専門家がQ&A方式で安心な答えを正確に教えてくれる「答えてクルマ屋さん」「どうぶつ病院.JP」「月刊・住宅ローン」の3つのサイトとソーシャル・アイテムクリッピングサービス「KaUno」等多くのメディアを運営している「イトクロ」にインタビューしてきました。

将来的に事業を立ち上げたいエンジニアには必見。麻布十番にあるオフィスが入っているビル


まず案内されたのは、おしゃれな雰囲気の待合室


早速オフィスの中へ


オフィスはこんな感じ


奥にいる方が代表取締役/CEOの黒岩 剛史氏、手前の方が代表取締役/CTOの伊藤弘和氏


今回はCEOの黒岩氏が多忙につき、CTOの伊藤氏にメインでお答えいただきました。

GIGAZINE(以下、Gと省略):
まずは、イトクロの運営サイト、提供サービスについて教えてください。

株式会社イトクロ 代表取締役 CTO 伊藤弘和氏(以下、Iと省略):
まずは、専門家が素人の質問に答えるというシステムです。現在、住宅ローン中古車動物病院いう3つの領域でそれぞれサイトを運営しています。

既にネット上にある類似のシステムを採用したサービスでは、一体誰かわからない正体不明な人が質問に答えるという点に信頼性の面でちょっと不安を感じる場合があります。そのため、イトクロとしては、ちゃんと信頼できる情報をユーザーに提供していきたいと思っています。例えば、動物病院の場合は獣医さんに、住宅ローンの場合はファイナンシャルプランナーさんに、といった感じでそれぞれの分野の専門家さんが顔を出して直接答えてくれるようにしました。

各分野の専門家の方には無料で書いてもらっています。従来であれば専門家の方々にお金を支払って書いていただくような仕組みになると思うのですが、質問に答えることによって回答がサイト上に蓄積されます、さらにイトクロが得意とするSEO・SEMの技術と組み合わさり、検索エンジンに引っかかりやすくなります。すると、ユーザが探したい言葉で検索エンジンを通して的確な回答を書いている専門家の方とマッチング出来る事で評判や知名度が上昇し、最終的には専門家の方の信頼の力になっていけると考えています。

G:
つまりサイトのコンセプトとしては「評判と信頼の創生」になるわけですね。それによって専門家の方にも、利用する人の側にも利益になる、と。

I:
そうですね。

G:
もともとはどういう経緯でこれらのサイトを運営することになったのですか?

I:
もともとSEOを主軸にメディアを形成していこうとしていた中で、「動物病院」というキーワードがYahooの検索で1位になったので、これを何か有効に活かせないか?という理由もあり徐々に肉付けをしていった結果、今の形にできあがっていったわけです。

G:
すごいですね。「動物病院」というフレーズで1位になるというのは。やはりSEOを駆使して狙ってやった結果なのですか?

I:
そうですね。もともと自分の責任でメディアを作りたいという思いがあり、一日一回は我々のメディアに触れてもらいたいと考えていました。そう考えたときに検索エンジンは、私も含めて毎日利用するツールですので、これを利用しようと思いました。

G:
20代の役員を中心で急成長している原動力とは何でしょうか?

I:
前の会社で、提案していることや実際にやっている内容はいいモノなのに、すでにどこかがやっているからダメとか最初からレッテル張りされてしまって評価すらしてもらえないという、自分の力ではどうにもできないことが多く続き、「最後まで自分の責任の中で仕事がしたい」という想いから会社を作りました。

G:
会社の雰囲気はどんな感じですか?

I:
営業部、メディア事業部、制作部の3つの部門があり、それぞれ違っています。制作部は静かにこつこつ、メディア事業部はディスカッションが頻繁なところで、営業部は本当に困るくらいイケイケです。しかし、仕事はもちろんがんばっています。

ちょっとした打ち合わせもこうやって気楽に行える。縦画面モニターがかなり使いやすくてオススメらしい。


G:
求める人物像としてはどういう人でしょうか?

I:
自分がひとつの屋台を引っ張っていく感じのセルフマネージメントができる人です。自分がマネージメント層に行きたくないエンジニア、例えば、28・29歳くらいでそろそろ人をマネージメントしないと次のステップに上がれないというような会社にいて、もっとエンジニアリングをしたいという方を求めています

G:
エンジニアに求める技術的なスキルはありますか?

I:
社内ではRuby、PHP、Python、Perlをメイン言語として利用していますが、本音を言うと言語にこだわらない人。プログラミングの基礎知識をある程度お持ちで、新しい知識を積極的にキャッチアップしていく心構えのある方ならば、大歓迎です。

G:
やはり基本的スキルが高い人を求めているのでしょうか?

I:
それは嬉しいですが、見習いもOKです。現在、エンジニアリングを全く経験していない人も一人います。その人にあった形でやってもらえれば問題ないです。

G:
現在開発している新規のシステムはありますか?

I:
ネット広告に関するサービスや既存である社内ツールなどですね。

G:
担当者ひとりひとりがそれぞれ、オンライン上のネットサービスなどのシステムをひとつずつ任せてもらっている感じですか?

I:
そうですね、各エンジニアは最低1つはもっていますね。

次の新入社員が来たら座ることになるかもしれない机を発見。既に席を用意して準備万端、イトクロを支える新人を切望しています


G:
今回、新しく採用を行おうと考えた背景は何かあるのでしょうか?

I:
現在のイトクロの社員数は20名なのですが、その中でエンジニアは私も含めて4人です。そのため、やはりもっと仲間を増やしたいという思いからですね。今のままだとさすがにリソース的にいっぱいいっぱいになってしまいがちなので。

G:
採用の際に決め手となる条件、一緒に働きたい人物像を教えてください。

I:
最後までやると決めたらやる人。

G:
逆に嫌な人はいますか?

I:
やはり途中で投げちゃう人。それとパスを受けきらない人ですね。要するに雰囲気を読みきれる人がいいですね。

G:
社員の平均年齢はどれくらいですか?

I:
29才から30才くらいだと思います。

G:
エンジニアの一般的な一日のスケジュールを教えてください。

I:
始業は午前10時からです。出勤途中にある駅前のパン屋さんで買った朝食用のパンを食べながらメールチェックをして、いろいろ処理します。次に前日の仕事のやり残しや、いろいろな社内からの「やってくれリクエスト」などの雑用処理で午前中は終わってしまいます。

G:
昼食はどうされていますか?

I:
13時から14時くらいにとります。天気のいい日は外で食べることもありますね。午後は、開発に集中しています。

G:
仕事の終わりは何時ごろですか?

I:
日によって違いますが20時から0時くらいで、終わるまでやります。時々、疲れたときなどは、早く帰らせてもらいますね。

伊藤氏のデスク。縦型のモニタが特徴的。それ以外にも机の上にはさまざまなガジェット類が散乱しており、iPod touchやAdvanced W-ZERO3[es]なども。こういうのを許容する寛容な社内の雰囲気に包まれて仕事をしたい人には絶好の環境。


G:
職場の自慢、ほかの類似会社にここだけは絶対に負けないというアピールポイントがあれば教えてください。

I:
他の会社のことは良くわからないですが、自分の考えで行動ができることですかね。あとは、人が少ないのでより責任を持ってできること。それと、とにかくSEOでは負けないです。日本で一番技術力はあると自負しています。

ライブラリー。オライリーの新刊はほとんど購入しているそうです。オライリーの書籍を読みまくりたい人におすすめ。


G:
今までの仕事で苦労したエピソード、伝説のエピソードなどがあれば教えてください。

I:
うーん、合宿ですね。6人くらいで東京タワーが見えるホテルのスイートルームを借りて合宿を行ったことがあります。室内に入ってすぐに、AirMacでLAN環境を構築しました(笑)

G:
とても豪華で楽しそうな企画ですね?

I:
この企画は平日に行ったのですが、実は平日の利用は思っていたよりも安いんですよ。あと、都内であればすぐに何かあっても会社に戻ることができるという利点もありますね。

G:
合宿は誰の提案で行うことになったのですか?

I:
役員会議でCEOの黒岩が提案しました。気分転換に全く違う環境で開発を行ってリフレッシュすることが目的です。

G:
成果のほうはどうでしたか?

I:
思っていたよりも、かなり成果はありました。山ほどサービスやサイトを作りましたね。

G:
その他に何かありますか?

I:
そうですね。グアムへ社員旅行にいきました。ステージで踊ってしまったりと、みんなでかなりはっちゃけてしまいました。

G:
前の年の社員旅行はどこに行ったのですか?

I:
前回もグアムです。3時間で行けるので近くていいんです。沖縄よりも近いので。

G:
社員全員でですか?

I:
参加希望者全員で行きました。目標に掲げていたものには達していませんが、黒字にはなっているのでみんなで行きました。一応研修ではあるので、まじめに研修も行っています。

グアム旅行のお土産


G:
スイートルームやグアムなど発想が変わっていますね。

I:
そうしないとモチベーションが上がらないんです。次は、ハワイかラスベガスを狙っています。

G:
その他にモチベーションをあげるようなことはやっていますか?

I:
年に1回は、海外のコンベンションやカンファレンスに参加したり、自分たちがカンファレンスで発表をしていきたいと思っています。

G:
夢は果てしなくという感じがあって実にすごいですね。最後に、会社としての今後の方針はどういう風に進める予定でしょうか?

I:
現在、自分たちのメディアの知名度が上昇してメジャー化した時に必要な業務を平行して進めています。プロモーションのマネージメントやSEOというのは、繁盛したときに必要なる技術で、今のところはそんなに大々的にやらなくていい業務だと思っています。それを今、自分たちのメディアパワーが無い状態で外販することによって、そこで得た収益をメディアに入れていき、メディアと広告代理業などの利益率ををどんどん逆転していきたいと考えています。

G:
本日はどうもありがとうございました。

手書きの看板を作ってみました。


※この取材は、ドリコムジョブボードJOBBUZZGIGAZINEのコラボレーションによって行いました。



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