候補者一覧には、まだ大仁田議員の名前が確認できる

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   大仁田厚参院議員が「安倍首相と参議院の現状に抗議する」として夏の参院選には出馬せず、政界を引退する、と2007年6月23日記者会見を開いて明らかにした。ただ、公認した自民党がその事実を知らされていないなど不思議なことが多い。さらに、「週刊ポスト」が7月6日号で、大仁田議員が都内の自宅に国交省の役員を招き、「性の乱痴気パーティー」を開いたと、報じた。引退のホントの理由は、スキャンダル記事が掲載されるのを知って、断念したのではないか、という見方も出ている。

「週刊ポスト」取材の時点では出馬するつもりだった

   「週刊ポスト」によると、大仁田議員は07年6月15日の午後8時頃に、19歳のキャバクラ嬢など7人の女性と、国交省のキャリアと、現役官僚らしい人物の2人を自宅の高級マンションに招いた。そこではストリップまがいの行為や、パーティーに参加した女性と国交省の役人達が「個室に消える」などの乱痴気騒ぎがあり、それが午前1時まで続いたのだという。また同誌は、大仁田議員本人に取材を申し込んだが、「『参院選挙前なので取材は受けられない』と回答を拒否した」とあり、この時点ではまだ夏の参院選に出馬するつもりだったことがわかる。

   07年6月26日付けの「日刊ゲンダイ」「夕刊フジ」「東京スポーツ」は、この大仁田議員のスキャンダル問題を取り上げていて、いずれも「週刊ポストのスクープで引退を決めたのではないか」という書き方だ。日刊ゲンダイは、

「このエロエロ接待はひとつ間違えば、官僚へのワイロ工作のようなもの。しかもマスコミにキャッチされては官僚たちの立つ瀬がない(中略)自民党と国交省から叱られる前に『ケジメ』をつけたというのが真相のようだ」

と書いている。

「今回の記事で出版社に抗議する予定はない」

   真相はどうなのか。J-CASTニュースが大仁田議員の参議院事務所に取材すると、

「記事が出るから引退を決めた、ということはありません」

と記事と引退の関係を完全否定。参議院選挙の日程を変更する「小手先」だけの選挙戦術と、「首相官邸の人気取りの道具」になっている参議院の存在に我慢ならなかったためなのだという。一方で、

「今回の記事で出版社に抗議をする予定はない」

   そうで、記事の内容が正確なのか間違っているのかについては、

「事務所として答えられるものではない」

と話している。

   大仁田議員を比例代表候補として公認している自民党。ホームページを見ると、夏の「参議院選挙公認・推薦一覧」に、07年6月25日の時点でまだ大仁田議員の名前と写真が掲載されている。J-CASTニュースが自民党に問い合わせてみると、

「引退会見は大仁田議員が個人で開いたもの。参院選不出馬などの報告はまだ来ておらず、正式な(引退などの)手続きが行われていない状態です」

と話した。