フィニッシュに絡むプレーは時間経過とともに減っていった大迫だが、しっかりボールを繋ぎ、守備も怠ることなく、可能な限りの仕事は果たした。 (C) Getty Images

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 10月5日(現地時間)、ブンデスリーガ第7節が行なわれ、ブレーメンは2-0でヴォルフスブルクを下した。
 
 5位のブレーメンが、7位のヴォルフスブルクをホームに迎えた一戦、大迫勇也は3試合連続でのスタメン入りを果たし、3トップの右サイドで試合開始を迎えた。
 
 例により、CFのクルゼがピッチを幅広く動き、彼がサイドに開く場合には大迫が中央に入り、最後尾からのロングパスに対してポストの仕事をこなす。また守備時には自陣深くまで戻り、マークする相手にプレッシャーをかけてボールを奪いに行った。また途中からは、カインツと左右でポジションを入れ替えたりもした。
 
 前半、最初に決定機を作ったのはアウェーのヴォルフスブルクで、12分、左SBのルシヨンが大迫を振り切ってからクロスを入れると、ボールは相手DF、FWのヴェフホルストを経由して左ポストをヒットする。
 
 対するブレーメンはその2分後、カインツの左からのクロスを、ファーサイドで大迫がジャンプしてから頭で合わせるが、マーカーのルシヨンの頭に当たってCKとなった。
 
 ブレーメンはサイドの攻略から頻繁にクロスを入れて得点を狙い、一方のヴォルフスブルクはカウンターからの速い攻めで好機を作る。18分、アウェーチームはボール奪取からマッリがすかさず右サイドへパスを出し、抜け出したSBウィリアムが好クロスを入れて、ブレーメンの守備陣を慌てさせた。
 
 しかし、最初のゴールはホームチームが決める。35分、ゲブレ・セラシェがM・エッゲシュタインとの連係で右サイドを崩してクロス。これが相手DFに当たって浮き上がったところを、走り込んだクラーセンが右足で豪快にゴールへ叩き込んだ。
 
 リードを奪ったブレーメンは、ボールを保持する時間も長くなり、サイドから幾度もゴール前にボールを運んで優勢を維持しながら、前半を終えた。
 
 後半、1点を追うヴォルフスブルクにブレーメンは何度もゴール前に迫られるが、決定的は作らせず、攻撃では前半同様にサイドからクロスを入れて追加点を狙う。
 
 59分にマッリを下げてストライカーのギンチェクを投入したヴォルフスブルクは、ここから攻勢に立ち、ブレーメン陣内で長くプレーを続け、ギンチェク、ブレカロらが惜しいシュートを、GKパブレンカに浴びせていく。
 
 劣勢となり、効果的な攻撃も減ってきたブレーメンは75分、3日前に40歳の誕生日を迎えたFWピサーロを投入する。するとその2分後、彼から決定的なパスを通されたカインツがペナルティーエリアで中央に折り返す。これを受けたM・エッゲシュタインは、右側に大迫がフリーで待っていたがシュートを選び、DFにブロックされた。
 
 ブレーメンは83分にも、カウンターからSBのアウグスティンソンがスルーパスを受けてエリア左側に侵入し、鋭いシュートを放ったが、GKカステールスに止められる。
 
 その直後、大迫はJ・エッゲシュタインとの交代でピッチを退いた。自身に得点機はほとんど訪れなかったものの、相変わらずの強さや巧さ、そして献身性は十分に発揮していたと言えよう。
 
 そして86分、ブレーメンがようやく追加点を挙げる。起点となったのは、またもピサーロ。見事なスルーパスを受けたJ・エッゲシュタインは、ドリブルでエリア内に突き進んで、カステールスの牙城を破った。
 
 これでほぼ勝利を決したブレーメンは、危なげなく残り時間を過ごし、今シーズン4勝目をマークした。来週からの代表ウィーク挟んで、次節は20日にシャルケの本拠地に乗り込む。