利用のイメージ。(画像: NTTデータの発表資料より)

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 NTTデータは24日、ATMでQRコードによる入出金取引を可能にする機能を提供開始すると発表。対象となるのはセブン銀行のATMだ。キャッシュカードがなくともスマートフォンのみで取引できるようになる。

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 この機能は金融機関向けスマホアプリ「My Pallete」の追加機能として提供される。それを導入した金融機関の自行アプリ利用者は、セブン銀行のATMにてQRコードを用いた取引が可能になる、という具合だ。ファーストユーザーは北越銀行で、28日より同行利用者に向けた機能の提供を始める。

 利用の手順としては、まず初回のみ利用登録をしたうえで、ATM画面に表示されたQRコードを撮影する。するとアプリ上に番号が表示されるので、その番号をATMに入力すれば簡単に入出金ができる。

 利用者はスマホだけで簡便に取引ができるため、キャッシュカードを携帯する必要はなくなる。それによりカードの所持に伴うセキュリティリスクも低減する見込みだ。例えばキャッシュカードなどに記録されている情報を盗み取り、偽造カードを作成、使用するスキミングという犯罪がある。このような不正利用被害に遭う危険性は下がる。

 また金融機関にとっては、自行アプリの利便性向上による顧客満足度の上昇が期待できる。QRコードが読み取れる端末であればAndroidとiOSのどちらでも利用可能と、スマホ自体のシステムに左右される心配も少ない。キャッシュカード発行にかかる手続きなどの負担軽減にも寄与する。

 さらに低コストかつ短時間での導入が可能な点も大きなメリットである。アプリやATMを金融機関単独で新たに開発、変更する場合に比べて導入費用や保守費用はずっと少なくて済む。「My Pallete」をすでに導入済みの金融機関であれば、オプション機能の追加だけで早期の導入が可能だ。

 クレジットカードやポイントカードにおいては、主にスマホアプリを代替とすることでカードレス化が進んでいる。だがATM利用に関しては開発など導入コストの問題からなかなかカードレス化が進展してこなかった。

 このような状況を鑑み、NTTデータは今後、ほかの各金融機関ATMへの機能提供、ならびに証券や保険のカードレス化も視野に入れた活動をしていくという。