30代の無資格者と、40代の資格取得者はどっちが転職しやすい?

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 これまで7000人のキャリア支援を行なってきたヘッドハンター高本尊通です。人材業界では、長らく「35歳転職限界説」というものが存在していました。

 しかし、昨今は35歳を超えたビジネスマンにも転職のチャンスは広がっています。今回は、転職と年齢の関係について考察するとともに、昨今の転職市場のトレンドについてお伝えします。

◆なぜ、35歳が転職限界と言われてきたのか

 転職と年齢には深い関係があります。新卒者の就職活動と、30代の転職活動では、採用企業から求められるものが異なります。

 考えるべき要素は2つです。それは「ポテンシャル」と「経験値」。ポテンシャルは、若ければ若いほど高いもの。若ければ「時間」という圧倒的なメリットがありますので、採用企業としても「育てて成果をあげてもらう」という考え方になります。このポテンシャルは、年齢を経るごとに減っていくというのが一般的な見方です。

 一方、年齢を経るごとに高まっていくのが「経験値」でしょう。年齢を重ねても、十分な経験値があれば、転職して活躍することは可能です。これまで、「35歳が転職限界年齢」と言われていたのは、基本的に“異業種への”転職の場合を指していました。

 異業種に転職するということは、それまでの経験値はほとんど評価されませんから、ポテンシャルで戦うしかない。ここで年齢を重ねてしまっていると、経験値もポテンシャルも不足すると見られ、転職できないという事態に陥りがちだったのです。

 過去のキャリアがかえって転職活動において足を引っ張ることもあります。たとえば、「これまでは人事部長だったが、営業の前線で仕事をしたい」と思っても、採用する企業としては、管理職だった人間を営業担当にすることに二の足を踏む、ということがあり得るからです。転職活動をするときには、自身の年齢や経験をしっかり自覚しておくべきでしょう。

◆30代にチャンスは広がっている。40代はどうか?

 ポテンシャルで勝負できる年齢の上限が、これまでは35歳とされていましたが、近年の転職市場を見ていると、35歳を超えてから異業種への転職を成功させている人を目にすることが増えてきました。

 ただし、こうしたポジティブな変化はありつつも、あいかわらず転職の成否に年齢が大きく関わっていることは否めません。昨今は、30代前半と後半の間よりも、40代前半と後半の間に大きな溝があるように感じます。

 40代前半に転職チャンスが広がっている一方、40代後半は依然として転職が難しい状況です。いまや、転職市場においては、「40代」とひとくくりにすることはできません。

 ただし、まだ40代前半であっても、転職をする場合には、20代や30代よりも慎重に考える必要があるのは当然です。一般に子どもが大きくなり、学費などの負担が大きくなってきたり、親の介護なども必要となってくる年代ですから、「やりたい」という思いだけで異業種を目指すのはリスクが高い。

 現実を踏まえて、経験を活かせる同業種の転職に切り替えるのもひとつの戦略と考えてください。

◆転職活動はできるだけ“早く”動くべき理由

 やりたいことがあって異業種に転職しようと考えるなら、私は「できるだけ早く動く」ということを勧めます。2つの理由からです。

 まずは、年齢が若ければ、「ポテンシャルで戦える」という点です。そのため、準備に時間をかけすぎることは避けたいところです。異業種への転職にあたって、たとえば税理士や中小企業診断士のような難関資格の取得を目指す人もいますが、通常は取得までに数年かかってしまいます。

 そうであれば、私は、資格取得を待たずして、いち早く転職活動をし、実務経験を積むべきだと考えています。