満員電車はただですら不快なものだが、周囲にマナーが悪い乗客がいるとさらにイライラしてくる。中でも、混雑した車内でリュックを背負ったままでいる人に対して、思わず舌打ちしたくなった経験はないだろうか。

少し考えれば迷惑だとわかりそうなものだが、なぜ頑なに下ろさないのか。そんな疑問を持つ人物が2月下旬、ヤフー知恵袋に「満員電車でリュックを下ろさない人に質問です」という相談を寄せた。相談者は、

「迷惑なのを気づかないのか、迷惑がかかっても関係ないと思っているのか、下ろしたら負けとか、人に従うのが嫌だとか、なんでか理由をお聞かせ下さい」

という質問を投げかけている。

「持っていられないからといって足元に置いちゃうと逆に危ない」という声も


まず挙がった理由は、リュックが重いため背負ったままの方が安全、というものだ。手で持てる程度の重さならいいが、そうでないなら背負ったままの方が周囲のためだという主張だ。

「持っていられないからといって足元に置いちゃうと逆に危ないし、天棚に載せるとか、そこまで持ち上がらないから無理」

たまに、リュックがはちきれそうになるくらい荷物をパンパンに入れている人を見かけることがある。重たいリュックを無理に網棚に乗せようとしてバランスを崩し、誤って座席に落とせば怪我のリスクがある。

ほかには、「足元に置けば、揺れた際廻りの人が脚を引っ掛け転倒するかも知れない」という意見もあった。混雑した車内では足元がよく見えないので、リュック本体や肩紐を気づかずに踏むおそれもある。

それらの考えはわからなくもないが、だからといって走行中に絶えずリュックを押し当てられてはたまったものではない。混雑時の電車を避けるなどの配慮は欲しい。

JR西日本などはマナー向上を訴えるポスターを掲出

実際、車内でのリュックの扱いに乗客は厳しい目を向けている。日本民営鉄道協会が昨年発表した「駅と電車内の迷惑行為ランキング」では、「荷物の持ち方・置き方」は3位にランクインしている。

昨年ヤフー知恵袋に寄せられた相談でも、リュックについて周囲に「配慮したつもり」になり、ドア横から動かないという乗客に対して「迷惑極まりない」と言う声が出ていた。「荷物が多いときは満員電車は控えるか、棚に載せられる大きさにして棚です」というのだ。

鉄道会社でもマナー向上を呼びかける取り組みをしている。JR西日本など関西の鉄道事業社20社局は合同で「荷物の置き方・持ち方(リュックサック)」を共通テーマとして、今年3月1日〜31日の間に駅構内や車内にポスターを掲出する。

車内で背負ったままでいたり、ドア付近に置いたりするなど、他の乗客の迷惑になるような行為は慎みたい。