来季開幕から5戦出場停止が決まったアストロズ・のグリエル【写真:Getty Images】

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コミッショナーは大人な対応を取ったダルビッシュを称賛

 27日(日本時間28日)に本拠地で行われたドジャースとのワールドシリーズ第3戦で、元DeNAでアストロズのユリエスキ・グリエル内野手が人種差別行為をした問題で、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは28日(同29日)、同選手を来季開幕から5試合の出場停止処分にすると発表した。同時にグリエルはシーズン終了後にセンシティビティ・トレーニング(文化的違いを尊重することを学ぶプログラム)の受講を義務づけられるという。

 グリエルは、第3戦の2回にドジャース先発ダルビッシュ有投手から先制ソロを放った後、ダグアウトで両目尻をつり上げる仕草を見せ、アジア系の人々を侮辱する差別する行為として問題視されていた。

 同コミッショナーは、出場停止処分を来季開幕から行うことについて、理由を4つ挙げている。1つ目に無報酬で出場停止にするため、2つ目にチームの残り24人に影響を与えず、間違った行為をした人物にだけ罰を与えるため、3つ目にダルビッシュが終わったこととして前に進みたがっていること、4つ目にグリエルが厳罰のアピールをしないと予測されるためだ。

 会見の前にダルビッシュ、グリエル両選手と直接話をした同コミッショナーは、まずダルビッシュが取った大人な対応に感心したという。「彼はこの難しい状況を非常に模範的な形で対応した。このネガティブな出来事を、学びとより深い理解を得るための機会にしようと考えるのは、特筆すべきことだ」と称賛した。同時にグリエルが心から反省し、ダルビッシュに直接謝罪したい意向を示していたと付け加えた。

 この日、グリエルは球団を通じて声明を発表し「昨晩の試合中、私は弁解の余地のない差別的行為をしてしまいました。私の行為で傷ついた全ての方に、心よりお詫び申し上げます。深く後悔しています。特に、私が称賛、尊敬しているピッチャー、ユウ・ダルビッシュ投手に謝罪します。また、ドジャース関係者の皆さん、アストロズ関係者の皆さん、MLB、そしてファンの皆さんにもお詫び申し上げます」と、心からの反省を伝えた。

 また、アストロズのジェフ・ルーノーGMも「アストロズは、昨晩ユリ・グリエルが取った行為に驚くと失望を禁じ得ません」と声明を発表。「ユリ(グリエル)は普段から相手に敬意を示す行動を取っており、自身の行為について深く反省しています。また、自身の行為に対して、適切な謝罪も行いました。誰かを傷つける意図はなかったものの、差別と見なされることを学びました」とし、MLBの処分を全面支援すること、出場停止処分中のグリエルの報酬はすべてチャリティに寄付されることを発表している。(Full-Count編集部)