フェデラーはペレ&ジョーダン&アリ級 元世界1位名手「異次元に超越した」

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歴史的「偉人」、GS6度Vのベッカー氏「ペレ、ジョーダン、アリと比べたい」

 男子テニスシングルス4位のロジャー・フェデラー(スイス)は昨季、膝の手術などコンディションに苦しみ、後半戦を欠場してリハビリの日々を過ごした。35歳で迎えた今季は全豪オープンなど、すでに3大会を制覇。19勝1敗と全盛期を彷彿させる強さを見せている。テニス界を長年牽引してきたレジェンドもフェデラーを評価。サッカー界の王様ペレ、バスケットボールの神様マイケル・ジョーダン、伝説のボクシング王者モハメド・アリと並ぶ「偉人」と称賛している。

 現役時代、豪快なサーブとジャンピングボレーで世界ランク1位に君臨し、グランドスラム優勝6度を誇ったドイツのスーパースター、ボリス・ベッカー氏は英地元紙「ザ・サン」で復活のフェデラーをこう称えている。

「私はフェデラーをペレ、マイケル・ジョーダン、モハメド・アリと比べたい。彼は異次元に超越したんだよ。彼は不可能と呼ばれる偉業を成し遂げている。年齢を重ねるということがどんなことなのか、理解している数百万人の新しいファンを魅了しているんだ」

 スポーツ界を代表する歴史上の偉人とスイスのマエストロは比肩する存在となり、35歳という年齢で圧倒的な強さを取り戻したフェデラーの復活劇は新たなファン層をテニス界にもたらしたと考えている。

かつての愛弟子ジョコビッチを凌ぐ好調ぶり「彼は時計を巻き戻した。美しい」

「彼は時計を巻き戻した。25歳のようにプレーしている。でも、現実には彼のパスポートは35歳と示している。美しいことだよ。誰もがシーズンをゼロからフレッシュなスタートを飾る。

 最初の2大会で自信を取り戻して、コートでのフィーリングを取り戻すものなんだ。ロジャーの場合は、彼は全てを満たしていた。一方、アンディとノバクは今季まだ活躍していない。自信に満ち溢れている時にはテニスは簡単になるんだ」

 2016年12月までノバク・ジョコビッチ(セルビア)のコーチを務めていたが、現在のフェデラーは世界ランク1位のアンディ・マレー(英国)とかつての愛弟子ジョコビッチをも凌ぐ好調ぶりを示しているという。

「NO1の座を守り続けるのは常に挑戦だ。しかし、かつて成し遂げた選手にとっては特段、危険なことだ。ロジャーはどんなペースで戦うべきか知っている。いかにスケジュールを作るか知っているんだ」

 フェデラーは膝の負担を軽減するために、マイアミ・オープンで優勝後、5月末の全仏オープンまで8週間のオフを取り、クレーコートでの戦いを回避する方針を発表している。テニス界の先輩レジェンドからも偉大さを認められたフェデラーは、ここからどんな美しいパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。