カーブや合流、分岐が多く、しかも加速車線は短め――首都高には、初心者にとって運転しづらいポイントが多々存在します。そんな首都高をうまく走る「コツ」はあるのでしょうか。

C1都心環状線だけでもJCT名を覚えておきたい

 用地確保が難しい東京都心部を縫うように走り、神奈川、埼玉、千葉に広がっている首都高。路線が複雑であるほか、郊外の高速道路と比べてカーブや合流、分岐が多いなど、初心者には運転しづらいだろうポイントが多々あります。

 初心者ドライバーはどうしたら首都高をうまく走れるのでしょうか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチさんに、その「コツ」を聞きました。


首都高の難所」としてよく名が上がる東京都中央区の箱崎JCT。道路が複雑に走る(画像:photolibrary)。

――初心者が首都高を走る場合、まずどういう点に気をつけるといいでしょうか?

 東京では、C1都心環状線と、その外側にC2中央環状線というふたつの環状線があり、C1から放射状に路線が伸びているという構造を理解しておくといいでしょう。特に、C1だけでもJCTの名前を覚えておくと渋滞情報も理解しやすくなると思いますし、C1を何度か回れば、首都高の構造についてかなり勉強になると思います。

――分岐で気をつけるべきポイントはなんですか?

 たとえばC1の江戸橋JCTから、6号三郷線と9号深川線が分岐する箱崎JCTまでのあいだは、中央の2車線が6号線行き、その両脇の車線が9号線行きという構造で、6号線へ向かう中央の車線が混んでいて両脇の車線から入れないという場合があります。ここに限らず、車線の変更は分岐直前ではなく、早めにしておいたほうがいいでしょう。

――合流で気をつけるべきポイントはなんですか?

 たとえば神田橋JCTでの八重洲線からC1内回りへの合流は、加速車線が短く、右側から本線の追い越し車線側に合流します。また、同じように谷町JCTでの3号渋谷線からC1内回りへの合流も右からの車線への合流になります。このふたつを含めて「右側からの車線への合流」は、合流する側も合流される側も注意すべきポイントです。ルート上で、合流が本線の右からか左からか予習しておくといいと思います。

首都高ドライバーはマナーがいい? 初心者が走りやすい路線も

――路線が複雑な首都高、目的地へ向かうのに、進路を間違えないようにするにはどうしたらいいでしょうか? また、もし間違えてしまったら、どうしたらいいでしょうか?

 路線の番号と名称を覚え、目的地が何号線にあるかを確認しておくことが重要です。道を間違えた場合には、C2を使って軌道修正することができますし、箱崎JCT(箱崎PAにある箱崎ロータリーを利用)や大黒PAではUターンも可能です。ただ、C2の外側で道を間違えたときは、たとえば外環道まで行って大迂回するよりも、すぐに降りて下道を利用したほうがいい場合もあります。


C2中央環状線の西側区間は山手トンネルを走る(2017年3月、中島洋平撮影)。

――やはり首都高は、初心者ドライバーには難しいのでしょうか?

 東京都心部の首都高は、もともと川だったところなどを利用し縫うように通っており、たしかに初心者には難しいかもしれません。世界的にみても、グニャグニャしている高速道路でしょう。ただ一方で、走りやすい路線もあります。湾岸線です。夜景もきれいなので、レインボーブリッジから湾岸線を経由して横浜をグルッと回るルートなどは、デートで利用しても楽しいと思います。

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 鈴木さんは、首都高のドライバーはマナーがいい印象だといいます。分岐車線にクルマが詰まっていて、自分もそちらへ移らねばならないような場合にも譲ってくれる人が多く、「自分も紳士的な運転を心がけたくなる」と話します。ほかのドライバーの優しさを受けながら、首都高初心者は「成長」していくのかもしれません。

【地図】首都高JCTマップ C1だけで9箇所


C1都心環状線だけでも9箇所あるJCT。しかし覚えておくと、首都高が走りやすくなる(画像:首都高速道路)。