カブス・川崎宗則【写真:Getty Images】

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米国で学んだ野球の楽しさ、「日本では真面目になり過ぎていた」

 今季カブスとマイナー再契約を結んだ川崎宗則。招待選手としてメジャーキャンプに参加した35歳のベテランは、15日(日本時間16日)時点でオープン戦12試合に出場し、24打数7安打、6打点、打率.292、出塁率.393とまずまずの成績を収めている。オフには一時、日本復帰の可能性も浮上したが、米国でのプレーを選択し、自身6年連続のメジャー昇格を目指し日々奮闘中だ。

 カブスの地元紙「シカゴ・トリビューン」電子版がこのほど、その様子を特集し、日本人内野手の野球に対する情熱を伝えている。

「ムネノリ・カワサキはカブスライフを楽しんでいる。たとえアイオワでもう1年過ごすとしても」との見出しで伝えた記事では、昨季チームを108年ぶりにワールドシリーズ制覇に導いた名将マドン監督のもとで川崎が野球を楽しんでいる様子をレポート。本人が「彼はみんなをリラックスさせてくれるんです」、「日本では、監督は厳格な存在です。いつか、彼を連れて帰りたいです。次は日本で監督をやることになるかもしれないですね」とコメントしていることを紹介している。

 また今季は再びマイナーからのスタートとなったが、本人はあくまで前向きな姿勢を見せており、「40人のロースターには入っていません。でも、僕は本当に幸せなんです。だって、またシカゴ・カブスでプレーできるなんて光栄なことですから」と話していることも伝えている。

川崎にとって米国でのプレーが「大切」、名将も評価「素晴らしいチームメイト」

 本人は記事の中で「メジャーか3A? 問題ないです。アメリカでプレーすることが僕にとって大切なんです」と語っており、マイナー契約だからと言って落ち込む様子は微塵も感じられない。そんな人柄にマドン監督も「彼はクラブハウスに馴染んているだけでなく、どこにでもフィットすることができる。彼がいかに優れた選手かがわかるだろう。そして、非常に愉快であり、素晴らしいチームメイトであることも」、「だから、彼を昇格させる時はいつだって、私は非常に心地良いんだ。昨シーズン終盤、そしてプレーオフのようにね。みんなが歓迎しているんだ」と称賛しているという。

 記事ではここまでのオープン戦の内容を評価しつつ、「最終的に、彼は有望株たちと共に(3Aの)アイオワに戻る」と開幕メジャーが絶望的であることをレポート。それでも本人は「僕にとってはタフです。でも大丈夫」、「これが野球。アメリカの野球なんです。考え過ぎてはいけない。野球ですから」、「ここが好きです。みんな親切だし、楽しい。日本にいた時は、真面目になり過ぎていました。アメリカでは、みんなプレーすることをただ楽しんているんです」と、充実感を漂わせていることを伝えている。

 野球への真摯な姿勢や明るいキャラクターには、カブスの地元メディアも好感を抱いている様子。昨季世界一に輝いた強豪で、川崎は再びメジャー昇格をつかめるか。昨季は渡米後、最も少ない14試合の出場にとどまったものの、限られた出番の中で打率.333、出塁率.462をマークした35歳。今季はさらなる飛躍を期待したい。