公式サイトより

写真拡大

 第1話が平均視聴率11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と健闘した月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ系) 。第2話が9.6%の1ケタに転落して早くも爆死の気配を見せている。

■SMAPのおかげで視聴率アップも…

 "若手の実力派俳優を大勢揃えた"と鳴り物入りで始まった「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」。平均視聴率は2ケタを超える勢いで順調なスタートを切ったかに見えたが、これには実はカラクリが。15分延長のスペシャル版で放送された第1話の後には、世間を騒がすSMAPの生謝罪会見が予定されていたのだ。「松岡修造の食いしん坊!万才」(フジテレビ系)も17.9%の高視聴率だっただけに、「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)を見るために、視聴者がチャンネルをフジに合わせたことは想像に固くない。

 まず作品自体も気になるところが目立つ。週刊文春も1月28日発売の号で「切なさの押し売りだけが鼻に付く」「ありえない安易なエピソードの積み重ねで、せっかく集った若手の実力派たちの無駄遣い」とメッタ斬り。視聴者からも「惨めな田舎モン同士が傷の舐め合いしてるだけ」「タイトルが酷すぎ」「嫌な現実みたいな内容を淡々と映し出してるようで嫌な気分になる」「木曜22時でやってくれ」「クソつまらん脚本」と酷評のオンパレードだ。

「とにかくストーリーに感情移入できません。若手といえども過去に実績を上げている実力派ばかりですから、これで数字が取れないなら、演出や脚本が叩かれても仕方がないですよ」(芸能関係者)

 視聴率1ケタに終わった第2話でとくに問題視されたのは、有村演じる杉原音が病院を訪れるシーン。よく見ると、病院の廊下の奥に映しだされた案内表示に、「放射能科」の文字が見える。あまりに不謹慎な演出に、視聴者も「またかよ」「これはあかん」「まあフジテレビのやることだからな」と呆れ口調だ。

 第2話は、「放射能科」以外にも、思わずツッコミたくなるシーンが少なくない。

 たとえば西島隆弘が演じる御曹司のチャラ男・井吹朝陽が登場するシーン。杉原の働く老人ホーム(井吹の父が会長をつとめるグループ企業が経営)に現れ、バスケットボールでドリブル。車イスの高齢者の皆さんのまわりで、運動が得意な中高生ならできそうなテクニックを自慢気に駆使してダムダム。杉原が「ぶつかったら危ない」と至極まっとうな注意をすると、「そんなミスしないよ。文句あるなら取り上げてみたら?」と不敵な笑みを浮かべて挑発。有村に代わって蹴り飛ばしてやりたくなる。

 主人公・曽田練役の高良健吾が仕事から自宅に帰ってくるシーンでは、高畑充希演じる日向木穂子が玄関前で待ち受けている。恋人である日向はすき焼きを振る舞い、調理器具や食器をあまり持たないという曽田に「包丁なんて安いよ」とまず刃物の購入を勧める。別れて修羅場になったら怖い。

 浦井健治演じるパワハラ部長・神部正平は、「仲が良いから」という理由で杉原に、遅刻した同僚の身代わりに規則外勤務を命じる。そして勤務途中、テーブルに両手をついて倒れ込むようにうなだれる杉原に、握りこぶしでリズムを取りながら、「負けないで、もう少し。最後まで、走り抜けて」とZARDの『負けないで』で励ます。こんな上司、イヤだ。

 曽田は自身が働く運送会社で、先輩・佐引醸次のやっつけ仕事のせいで壊れたスピーカー(19万円弱)を弁償する自体に陥るなか、先輩に自分に過失がないのに払えませんと訴える。佐引は曽田からマウントポジションを取り、「おれがサボってるって言うの?」と逆ギレ。さらに別の先輩・加持登がここで「つーかさ、お前、佐引さんみたいに腕立て300(回)できるの?」と攻め立てる。そして腕立て300回を達成したらスピーカー代を佐引が弁償するというマッスル展開に持ち込まれる。が、がんばれ高良。

「『放射能科』の一件は、『放射線科』と間違えたなら取材不足・確認不足でダメ。何か意図が込められたというなら余計にダメです。他のシーンも苦笑いの出そうな展開が目立ち、今後に不安を感じさせますね」(同上)
  
 終盤、杉原は曽田に巡り会い、名前と電話番号を交換することに。第3話では、杉原と日向が出会い、女の戦いが始まりそうだが……視聴率はどうなるのだろうか。

(取材・文/蒼木学)