「死ぬまで現役でいるには、何より体が大事。とくにシニアの方は加齢とともに“免疫力”が衰えてくるので、少しでも免疫力を向上させていく必要があります」
 こう語るのは、『お医者さまが教える脳で感じるセックス入門』などの著作がある、弘邦医院のドクター林院長だ。

 新しい年を迎えたとはいえ、年々、体は衰えていくばかり。若い頃に比べれば、風邪などの病気にもかかりやすくなった方も多いだろう。それも免疫力が弱まってきた証拠だ。
 免疫力を高める方法はたくさんあるが、巷で言われることといえば、十分な睡眠、適度な運動、栄養のある食事…など、当たり前といえば当たり前のことばかり。
 「それ以外にもヨーグルトを食べて腸内環境を整えること、緑茶に含まれているカテキンを摂取することなど、さまざまな方法が存在します。どれも間違いではないのですが、私はズバリ“性の快感こそが免疫力を高める”と考えています」

 なんと、セックスやオナニーをすることで、強くて若々しい体になれる!? 実はそれを実証した医学的データもあるのだ。
 「アメリカのウィルクス大学のフランシス・プレナン博士らの研究チームが、112人の大学院生を対象に、セックスと免疫力の関係を調査したんです」

 その結果、驚くべきことが判明した。112人の学生の唾液サンプルを回収したところ、
 〈1週間に1〜2回、性交渉をした〉
 と回答していた学生は、それ未満やそれより高頻度の学生に比べて、グロブリンAの量が約30%も多かったという。
 「ちなみにグロブリンAとは免疫物質のことで、消化器や呼吸器の免疫機能に重大な役割を果たしており、風邪などの感染症への抵抗力にもなるのです」

 なぜ、セックスをするとグロブリンAが増えるのか。
 「性的な快楽を得たとき、人間の脳にβエンドルフィンと呼ばれる快感物質が出るのですが、このときグロブリンAの量も増加することが分かっています」
 つまり、脳が「気持ちいい!」と感じたとき、免疫物質が大量に分泌されるのだ。

 だが、ここで一つ問題がある。すでにEDで、性欲が湧かないシニア男性はどうすればいいのか。
 「ペニスが勃つかどうかはまったく関係ないのです。要は脳が性的興奮を得ることが大事なので、“スケベな妄想”だけでも構わない。それこそ若い女性を見掛けたとき、その女性と濃厚なセックスをしている場面を思い浮かべる…これだけで十分にβエンドルフィンは出てくるのです」

 なるほど! では、性欲そのものを失っている場合はどうすればいいのか。
 「実はこれも解決策があるんです。性欲の正体は、実は精液の量と言われています。精液が作られることで男性は性欲が湧く。つまり、精液がたくさん作られるものを食べればいい。代表的なもので言うと、納豆や大豆、肉、魚などで、普段の生活でこれらを中心に食べていけば、自然と性欲は強くなっていきますよ」

 エロいことを考えて、よく食べる。たったこれだけで免疫力はついて、病気になりにくい元気な体が作れるのだ。さあ、ご同輩、今年も頑張りましょう!

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。