※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年12月号からの転載です。Amazonで『罪名、一万年愛す』を見る嵐に見舞われた絶海の孤島、財を成した一族、当主の失踪、その場に居合わせた探偵──。オーソドックスな推理小説然とした設定が詰め込まれた『罪名、一万年愛す』。その著者が吉田修一と聞いて意外に思う人も多いのではないだろうか。取材・文=瀧井朝世写真=干川 修「編集者と新作の打ち合わせをしている時に、山崎豊子