「出しきれお前ら!」

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いつでも暑苦しいほど真っ直ぐ真剣な松岡修造。そんな松岡修造モノマネで人気を博しているのが、芸人・こにわだ。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」コーナーでブレイクした。
外見もさることながら、何よりそっくりなのは、話し方や話す内容である。松岡修造が出演するテレビを見まくり、著書も読みまくり、研究を重ねてきたと言う彼が目指すのは、上辺のモノマネではなく、「完コピ」だ。こにわさんを直撃し、その軸となる松岡修造の内面や思考回路、「松岡修造イズム」について分析してもらった。

■1・「出しきれお前ら!」の法則
松岡修造本人との初対面は、2013年10月3日、楽天ジャパンオープンのとき。
「僕はビーチテニスで呼ばれていて、外でニセモノの僕が喋って、なかでホンモノが喋ってっていう遊び心の企画でした。松岡さんは13時からのイベントだったんですが、お客さんが200人くらい集まるなか、5分前くらいにマイク持っていきなり登場して。初対面なのに、第一声目でいきなり『もっと本気でやれよ!!』って僕に言うんです。そこで、本人になりきっている僕もすかさず言いました、『本気でやってるよ!!』(超大声)」
ホンモノとニセモノが、ド直球で打ち合うヘンなやりとりである。
こにわさんは、「世界で活躍するトップアスリートは、会話してるなかにも野生の本能がブワッと飛んでくるものがある。精神力を強く持たないと、食われると思った」とその時のことを語る。周りに人がいてもいなくても、カメラが回っていてもいなくても、相手がプロでも素人でも、大人でも子どもでも、「本気」じゃない者には怒るという一貫した姿勢こそが、松岡修造なのだ。

■2・サプライズが大好き
「松岡さんをやってくれと言われると、僕は必ずステージの隅などどこかに隠れるところがないかを探すんです。それは、松岡さんがそういう人だから」
松岡修造は人を驚かせるのが大好きで、必ず自分の出番より5分前、10分前に現れて子どもたちと喋ったり、ステージに出る前には1人で物陰にこっそり隠れたりするらしい。

■3・感覚派でなく、実は理論派
「熱いキャラで、感覚的なタイプだと思われがちですが、松岡さんは実はすごく理詰めのタイプ。番組に出る直前の様子を拝見したことがあるんですが、ホワイトボードに喋る内容を文字で羅列し、それを1度頭にきっちり入れてから本番にのぞんでいました」
立て板に水のように喋りまくるのも、頭の良さあってこそ。ちなみに、スポーツ番組では自ら解説するよりも、相手を立てて話題をふり、話を引きだすほうが多い。

■4・悔しがり屋さん
「トップアスリートは、やっぱり悔しがり屋さんなんですよ。僕にいきなり『笑わせてみろよ!』と言って、僕がモノマネをやるとお客さんたちがウケたんですが、そうすると『どこが面白いんだよ、今の!?』って『いや、今、笑ってたでしょ』と僕が松岡さんモノマネで言って、松岡さん同士のやりとりみたい、カオスになりました。お客さんたちは笑うけど、ご本人は絶対に『似てる』とは言わない。すごい負けず嫌いです」

■5・実はネガティブ
松岡修造と言うと、「いつでも熱く、超ポジティブ」なイメージ。
「『ソロモン流』で松岡さんの密着をしていたときにわかったんですが、実は超オフがあるタイプ。超ネガティブだから、逆のことがわかる、逆をすれば良いというのが頭でわかるから、超ポジティブにいけるんですよ。アスリートの人は行動のパターンをイメージとして持っているから、逆にいけるんです」

『徹子の部屋』に出演した際も、「徹子さん、僕、どこが熱いんですか?」と聞き、ポジティブではないと話していたそう。世の中がイメージする「熱い松岡修造」は実は作られたもので、どこかでひいて冷静に見ている松岡修造がいるのかも。

ちなみに、こにわさんの最大のライバルは、松岡修造さん。「松岡さん本人よりも松岡さんらしくなるのが目標」で、今も日々研究が続いている。
(田幸和歌子)