マイナス30℃で凍らせて食べる新感覚アップルパイ

写真拡大

じめじめとまとわりつくような湿気、突如ミサイルのように降ってくる雹(ひょう)……。なにかとうっとうしい梅雨の季節だが、梅雨が明ければすぐにジリジリとした猛暑が訪れる。どっちにしろテンションダダ下がりなんだよ俺は、と嘆く仲間たちに朗報だ。

これからの時期にぜひ味わいたい新感覚スイーツが今、局所的なブームを巻き起こしているとの情報を入手したゾ……!
「パンケーキ、フレンチトーストときて、また新しいスイーツブームですか。はいはい……」なんて斜に構えている人も、こっそりゲットしたい逸品だという。

■キーワードは「凍らせて食べる」

その新スイーツのキーワードは「凍らせて食べる」ということらしいのだが、一体全体なにを凍らせてしまったというのか!?  これは調査せずにはいられない、ということで調べてみると……その正体は山口県を中心に創作洋菓子を提供している「ロイヤル」さんの「夏アップルパイ」だと判明!

その、凍らせて食べるというアップルパイがこちら! 粉とバターから丁寧に作り上げた伝統の手作りパイの上に、涼しげな色合いに仕上げた赤と白2色のリンゴが飾り付られている。大胆にもそのアップルパイを凍らせると、まるでシャーベットのようなケーキに変身。凍らせても硬くなり過ぎず、シャリシャリ感がくせになる夏にぴったりのアイスデザートなのだという。

アップルパイを凍らせて食べる……という予想のナナメ上をいく発想に、「アナ雪ブームに乗っかったのかな……ざわ……」などと邪推してしまい眠れないッ。この製作者、十中八九只者ではないな、ということで早速突撃取材してみることに。

■「凍らせて食べる夏アップルパイ」はお客様の声がきっかけだった!

―――凍らせるという発想がかなり斬新なのですが、どうしてこの商品をつくられたのでしょう?

ロイヤル担当者(以下:ロイヤル)「発売当初の夏アップルパイは、焼きたてと冷蔵のみの販売でした。ですがある時、地方発送している県外のお客様より『凍らせても美味しいわよ』と教えていただいたのです。なぜそんなアドバイスをいただけたかと言いますと、今もそうですが、地方発送は、賞味期限の幅を広げるのと、型崩れを防ぐため冷凍で発送しておりました。その冷凍されたものを解凍する時間を待てずに召し上がられた際に、これはイケると、それ以来凍らせたまま召し上がられていたとのことで、いつかアドバイスしようと思っておられたようです」

―――お客様の偶然の出来事から生まれたものだったのですね!

ロイヤル「はい。それを聞いて、早速冷凍で食べてみたところ、確かに美味しかったので、それを信州の干柿や、シャーベット、実はおでんのダイコンにも習って、少しずつ改良を重ね、ようやくお勧め出来る食感や味に仕上げることができました。それ以来、"凍らせて食べるアップルパイ"というコンセプトで販売を始めました」

秋冬に定番人気だったアップルパイを、凍らせるという斬新な発想で夏の定番にもしてしまったロイヤルさん。すごい……!

―――このアップルパイ、凍らせても硬くなり過ぎないそうですが、それはなぜですか?

ロイヤル「アップルパイで使っているリンゴ自体にシャーベットに必要な素材である果汁、糖質、水分が製造過程でしっかり加えられていて、元々その素質が充分あります。その要素を信州の凍らせて食べる干柿をヒントに、回数や火加減、煮込み時間は企業秘密ですが(笑)、普通のアップルパイのリンゴよりも、ワインでしっかり優しく煮込み上げています!」

白いリンゴはちょっと酸味があり、あっさりとした味。赤いリンゴは、ワインの渋みと酸味も持ち合わせた大人なテイストになっているそうだ。

ロイヤル「パイ生地は、半世紀以上もの間同じ製法で、粉とバターから丁寧に作り上げた伝統のものです。じっくり焼き上げた、見た目も涼しげな夏だけの特製アップルパイ、ぜひご賞味ください」

そんなこだわりの手作りのパイの上に、アーモンドたっぷりのバター生地を敷き詰め、赤と白のワインでそれぞれ美味しく漬けこんだ2色のリンゴで飾り付けて焼き上げた、見た目も涼しげな夏だけの特製アップルパイ。
アイスデザートとして冷凍庫から出してすぐ食べるもよし、数分間解凍させてからシャリシャリとしたリンゴの触感を楽しむもよし。そのうえ、しっかりと解凍するまで待ってから常温で食べても美味しいとのこと。これは夏の新定番スイーツになるかも!? 要チェックの逸品だ。

【創作洋菓子ロイヤル】
・南小串本店:山口県宇部市南小串2-4-2
・菓子工房Yakushiji:山口県宇部市あすとぴあ1-2-4
・Facebookページ