ラクダは本当にかわいかった/中東・ドバイの旅

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2001年9月11日、同時多発テロが起こった日。テレビ画面に映るテロ現場は、まるでSF映画かと勘違いをするほどの惨状だったのをよく覚えている。
当時思春期真っ最中だった私には、どうも衝撃が強すぎたようで、テロ発生以来、「中東=なんか怖い」というイメージがついてしまっていた。テレビや雑誌などで、中東は近代的でイケイケだとか、中東のドバイはセレブでリッチだとかと紹介されてるのを見ても、なかなか自分の旅先に中東・ドバイを選択肢にあげることはなかった。

だが6月はじめのある日。ボスからこんな指令が。
「来週、ドバイ行って取材してきて!」

全力で嫌だ、と思ったのだが、あれよという間にドバイ行きが決ま(ってしま)った。
アラビア語なんてもちろんしゃべれないし、それに見慣れない土地……武装勢力もあったりするのかな……
あぁ心の準備が……。 
指令された取材の内容は、「現地の人々の日常について」。ドバイは英語が通じるから大丈夫と言われたものの、英語もろくに話せないんですけど……!

と、不安を抱えながら羽田空港からエミレーツ航空の直行便でドバイへ旅立った。

■着いて10分、ドバイの空港にてトラブル発生
ドバイに着いたときからドキドキしていたのだが、着いて10分で最初のトラブルが発生。空港内で迷ってしまったのだ。慣れないドバイで泣きそうになっていると、後ろから「Are you OK?」の声が。
 
……っ!!(民族衣装の人だ!)
見慣れない民族衣装の男性が目の前に現れたことで、びっくりして固まってしまった。そんな私を前にしてその男性は、仙人なのかと疑うほどに優しく丁寧に道を教えてくださった。話しかけられた時は少し恐怖を感じたが、あれあれ、すごく優しいぞ。

ついでに書いておくが、羽田からドバイは直行便が出ている。しかも夜の0時半に出る便で、ドバイに着くのは現地時間の朝6時くらい。飛行機の中で寝れるし着いたら一日中時間がある、これは快適! 

■気さくに話しかけてくる人が多い、ぱっと見「石油王」
今回の取材目的は現地の暮らし。ドバイにはリゾート地とセレブ、石油王しかいないと思っていたが、実際にはそうではなかった。ドバイは観光地のイメージが強いが、現地で日常生活をおくっている人たちもたくさんいるのだ。世界一高いビル『バージュ・カリファ』や世界一デカいショッピングモール『ドバイ・モール』があるドバイの観光名所から少し離れることタクシーで15分、ドバイの庶民の暮らしが見えるところに潜入した。

近くに宿を借りて、チェックイン。フロントで待っている間、石油王(にしか見えない)たち2人が話しかけてきた。日本出身者だと言うと、「日本? おれ、着物が好きなんだ!」とか、「僕はジュードー習ってるんだ! コガ、知ってる? あれは強い!」などとフレンドリーで会話が弾んだ。この辺りから、中東はちょっとこわいところなんて先入観が薄れてきていた。ちょっと安心したので、街に繰り出してみることに!

■ペットボトルの水が30円! 物価が安い
忘れてはならないのが、ドバイはとにかく暑いということだ。6月にもかかわらず、灼熱の太陽が。気温は40度近くにもなるので、水分補給がかかせない。

ドバイは初上陸だったので、水が買えなくて干からびたらどうしよう、とビビっていたのだが、近くのスーパーで普通に買うことができた(当たり前といえば当たり前だが)! どこのスーパーでも、ウェルカムな雰囲気で、カタコト英語でも問題なかった。
ペットボトルの水はだいたい日本円にして30円(2014年6月現在)ほどとお安い! 他にもタバコが安かった。

水やタバコが安い理由は、ドバイに税金がないからだろう。国の方針として無税を採用しているので、税金がかからないのだ。つまり、国全体が免税店のようなもの! 
他にもマクドナルドの一番デカいハンバーガーセットは日本円で500円(2014年6月現在)くらい。日本よりも確実に大きいし、安い。
他、現地のごはんも買ってみたのだが、どこのお店も店員さんが気さくで親切だった。「よく来たね! ●●は見るといいよ!」など、話しかけられる機会も多く、一人旅でも孤独感はなかったように思う。

■夜に子どもが走り回る! ショッピングモールのある街中
午前中〜昼間は、街なかに人があまりいないように感じた。これはおそらく日中は暑いからなのかもしれない。夜は意外と遅いようで、夜10時近くになってもショッピングモールで子どもが走り回っていた(大丈夫か、とは思ったが)。
また、ショッピングモール内でトイレを探していると、現地民の方が優しく案内してくれ、ついでにおすすめのお店なんかも教えてくれた。なんだか今まで行った外国の中で、ドバイが一番フレンドリー(筆者調べ)なのでは!?
そしていろいろな観光地へ。

■人々だけじゃない! 癒される大自然、そしてラクダ

砂漠のツアーに申し込んでみた。ここでは砂漠を、まるで「パジェロのCM」かのように走る車に乗せてくれる。

どこまでも続く砂漠。自然にできた砂漠の地平線。景色を見て、初めて涙が出た。生まれてこのかた、地平線など見たことがなかった。それにこの砂丘、ぜんぶ自然の風が作ってる。あまりの壮大さに夕日を見ながら涙が出た! ボス、ありがとう! と一応、叫んでおいた。そしてラクダは本当にかわいくて、怖くないどころか、バッチリ癒されてしまった。

その後いろいろな観光地、路上にある普通のファストフード屋さん(チキンが中心のヘルシーフードが多くあり、丸焼きも美味しく、安く食べれる!)などに行ったが、中学生レベルにも及ばない英語力でも乗り切れた。なんとか聞こうとしてくれる姿勢がひしひしと伝わってきてとても嬉しかった。

中東ってちょっと怖いところ、という先入観が邪魔をして積極的に行こうとしなかった中東・ドバイだが、今回の取材で、ドバイが大好きになった。ぜひまた行きたい! 
偏った情報だけをイメージだけで持ち続けるのは本当にもったいないことだ。同じような先入観やイメージを持っている人に言いたい、「ドバイ最高にいいよ」と。