好きな映画や俳優ネタでどのテーブルもめちゃめちゃ盛り上がってます! 「若葉ナイト」のひとコマ。

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以前にコネタで紹介した、アメコミなどの海外コミック翻訳本専門マンガ喫茶「ACBD」。
『スパイダーマン』や『バットマン』といった人気作品の翻訳本がリーズナブルに楽しめるということで注目度が高まっているのだが、同店で特に盛り上がりを見せているのが、アメコミファン同士で映画を観たり語りあう「アメ懇」などのイベント。

でもアメコミは専門用語がよくわからないし、語れるほど読んでない……という筆者のようなアメコミ初心者向けに「みるみるわかるアメコミのしくみ」「若葉ナイト」という2つのイベントが5月からスタートしたので、さっそく行ってみることに!

講義のようなスタイルの「みるみるわかるアメコミのしくみ」は、店主・内尾さんがアメコミの基礎知識をわかりやすく解説してくれるイベント。初回はほぼ満席で、参加者の顔ぶれは10代の学生からカップル、OL、サラリーマンまで、年齢も性別もまちまちといった印象だ。

この日のコンテンツはアメコミ作品ができるまでの過程や出版形態に関する解説がメイン。例えばアメコミは細かな分業制が取られていて、原作者である“ライター(スクリプター)”、ラフ画を描く“ペンシラー”、ペン入れを担当する“インカー”、色を塗る“カラリスト”、フキダシに台詞や効果音を入れる“レタラー”と、複数のクリエイターが1つの作品に関わっているケースが多いのが日本のマンガとは大きく違うポイントだということ。また、アメコミの専門用語で特にわかりにくい”ユニバース”(さまざまな作品に登場するヒーローたちが、同じ世界に住んでいるという設定)については、『スパイダーマン』『アベンジャーズ』などの出版社のマーベルコミックスと『バットマン』『スーパーマン』などのDCコミックでそれぞれいくつかのユニバースが存在していて……と、やや複雑。解説を聞きながらうなずいている人も多かった。こういった解説以外にも、ビギナーにおすすめの作品(マーベルコミックスの歴史を振り返る『マーベルズ』など)を紹介したり、質疑応答のコーナーでは、参加者の人々も交えて疑問に答えたりと和やかな雰囲気。

参加した人に聞いてみると、
「英語が苦手でアメコミには抵抗があったけど、最近翻訳本が充実してきたので興味が出てきて……」
「アメコミ作品を読んだことはあるけど、今日解説を聞いていてなるほど! と思ったことが多かった」
など、さまざまな感想が。

いっぽう同日夜開催の「若葉ナイト」は、フリードリンク制でオードブルをつまみながら参加者同士が大いに語り合うイベント。この日の参加者は20〜30代中心で、男女比は6対4程度といった具合。そしてガソリン(=アルコール)が入ったせいか、30分も経たないうちにアメコミ原作の映画や俳優ネタ等々で、会場が早くもヒートアップ! フィギュアやゲームからアメコミに興味を持ったという人もいたが、今回の参加者はアメコミ原作の映画ファンの割合がダントツだった。中にはわざわざ京都から参加(!)したという猛者まで……。

ちなみにこの日参加した人たちにアンケートをとったところ、アメコミ原作映画で人気が高かったのは『ダークナイト』(2008年)、『アベンジャーズ』(2012年)、『X-メン』(2000年)やその派生作品など。人気の俳優は『バットマン』のクリスチャン・ベールや『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jrなどで、もともとその俳優のファンで映画を見てからアメコミ作品にハマったという人もいた。

おすすめのアメコミ作品や映画をオススメしあったり、“マーベル派?or DC派?”などの話題を、ホストの内尾さんも交えつつ、数回席替えしながらのトーク。映画版『バットマン』はティム・バートンやクリストファー・ノーランら複数の監督が手掛けた作品があるので“どれが一番面白かったか?”というお題などは相当白熱していて、参加者同士も早い段階でかなり打ち解けていた様子だった。ぶっちゃけ、この日一番の“若葉マーク”は確実に筆者だったと思われるので、これから勉強します……(汗)。

1回目のイベントを終えた店主・内尾さん曰く、「アメコミ原作の映画を見て興味を持たれた方が思った以上に多かった印象です。コミックになると設定などが分かりにくかったり、たくさんある作品の中でどれから読み始めたらいいかわからない、という方が多いようなので、そういう方々のためにも今後のイベントでキャラクターについてなど、もっと詳しく解説していきたいと思います」とのこと。

6月14日開催の第2回「みるみるわかるアメコミのしくみ後編」「若葉ナイトvol.2」は残念ながら満席になってしまったのだが、7月19日に「若葉ナイトvol.3」と「キャラクター講座」の開催が決定! また「みるみるわかる〜」で使われた資料は、「ACBD」店頭でも無料で配布している(※6月14日分の資料は6月15日より配布)。
気になった人はここから少しずつ、アメコミの持つ魅力に触れてみてはいかがだろうか?
(古知屋ジュン) 

■ACBD
住所:東京都杉並区高円寺南4-9-8 グランドステータスクリハラ3F
営業時間:平日13:00〜21:00、土日祝11:00〜21:00
休日:毎週月曜、第2・4火曜(祝日の場合は営業) 
※臨時休業あり。土日は混雑する場合もあるため、夕方〜夜の時間帯を含む平日の来店をおすすめ。
※在庫状況についてはTwitter(@A_C_B_D)などでも問合せ可能。