ジェイソンといえばおなじみのマスク。でも最初はかぶってませんでした。

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2014年で「13日の金曜日」が訪れるのは、6月だけ。

いまだにカレンダーを見ると、なんとなく「13日の金曜日」を確認してしまったり、近づくと、ソワソワしてしまったりするホラー好きの人もいるのではないだろうか。
これは、かつてテレビの洋画枠で頻繁に放送された定番コンテンツ、アメリカのホラー映画『13日の金曜日』(1980年〜)の影響だ。

「キリストの最後の晩餐に13人いた」「イエス・キリストが磔刑にされた日」などの俗説から、13日が不吉な日とされ、映画が次々に作られた。
特に30代後半以上の人にとっては、テレビで繰り返し見たホラー映画の筆頭が、この『13日の金曜日』シリーズだったと思う。

映画は『エルム街の悪夢』のフレディとのコラボなどにも発展し、近年まで作られていたが、テレビ放送でなじみがあった時代とは浸透度が違う。
そのため、今は小中学生などで「13日の金曜日」と聞いてピンとくる子は少なく、「タイトルは聞いたことがある」程度の子が多いよう。
また、大人でも、記憶違いや誤解があるケースは多く、今観ると様々な発見がある。改めて復習してみよう。

■パート1ではジェイソンはほぼ登場しない
1980年に公開されたパート1の犯人は別人(※ネタバレ注意)。ジェイソンが登場するのは最後のほんの一瞬のみだ。しかも、パート1では、ジェイソンの象徴ともいえる、おなじみのマスクはかぶっていない。パート2でかぶっているのも、お手製の袋。マスクのデザインも少しずつ変わっている。

■ジェイソンはチェーンソーを使わない
どういうわけか、ジェイソンがチェーンソーで襲ってくると思い込んでいる人が多数いるが、ジェイソンが使う武器は主に斧や鉈など。チェーンソーを使う『死霊のはらわた』(1981年 ※全然怖くない!)と混同している人が多いのではないか。
ちなみに、ジェイソンの攻撃は、切るよりも、実は船の下やベッドの下から、背後からなど、貫通型の「刺す」パターンが案外多い。

■バカップルが最初の犠牲者なのは予想通りだが……
残虐な殺戮シーンより実は多いんじゃないかと思うほど、Hなシーンが多く、家族で観ると気まずい。特に、冒頭にバカップルのHシーンが登場して、最初の被害者になるパターンが多数。
これは予想通りだが、意外なのは、イケメン・美女でも、濃いキャラでも、バカップルと同じように簡単に死ぬこと。たいていルックスの良い登場人物やナイスなキャラは後のほうに残るホラーが多いのに、こういうところ、ヘンに平等である。

■惜しげもなく、脱ぐ、脱ぐ!
舞台が湖なのだが、若者たちはなぜか全裸あるいはパンツ一丁で泳ぐシーン多数。人目を気にせず湖畔でいきなり脱ぐ、脱ぎっぷりの良さには、驚く。シャツの下に下着をつけていないことも多い。しかも、女性はみんなスリムで足が長く、一瞬で死ぬわりにスタイルが良い。

■ミスリード、多数!
よせばいいのに、わざと友達を怖がらせるヤツがいる。そして、そんなヤツが、あっさり殺られる。ジェイソンが登場するときの「キ、キ、キ……」といった効果音が聞こえてきても、足元や手元だけ見せて別人、単に木の枝だったなどのミスリードも非常に多い。

■意外な有名人をチェックしたい
パート1には『フットルース』(1984年)等のケヴィン・ベーコン、パート4(1984年)には『グレムリン』(1984年)、『グーニーズ』(1985年)、『スタンドバイミー』(1986年)等のコリー・フェルドマンや、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)のダメパパ、クリスピン・グローヴァーが出演している。特にコリー・フェルドマンの子どもながらにヤバイ感じは素晴らしく、クリスピン・グローヴァーのダメっぷりは想像以上だ。

ちなみに、最新作が2015年3月13日の金曜日に全米公開される予定のほか、テレビシリーズ化されることも米Deadlineによって報じられたばかり。改めて過去のシリーズもチェックしてみては?
(田幸和歌子)