理研も購入?富裕層に大人気 高級輸入家具「カッシーナ」ってなんだ!
イタリアの高級家具「Cassina(カッシーナ)」が、注目されている。
インターネットでは、「STAP細胞」で揺れる理化学研究所神戸研究所の幹細胞研究開発棟2階の交流スペースにもカッシーナ・ブランドの家具が置かれており、約500万円もすると話題になっている。本当にそんな高額な家具が置かれているのか定かでないが、ソファやベッドなどが富裕層のあいだで人気なのは確かなようだ。
売れ筋は「100万円前後のソファ」
「Cassina(カッシーナ)」はイタリアの高級家具で、日本では東京・青山に本店を構える「カッシーナ・イクスシー」が販売。大阪店と福岡店、名古屋ショールームのほか、伊勢丹新宿店や日本橋三越などの百貨店や、オンラインショップでも購入できる。
同社はイタリア・カッシーナ社の輸入代理店であると同時に、世界で唯一ライセンス生産が認められているほか、最近はインテリアやキッチン周りの雑貨や、独自ブランドの育成にも取り組んでいる。
主力はソファやベッド、ドレッサーなどで、「カッシーナ」ブランドのアイテムとしては60万円〜200万円台、オリジナルブランドでは30万円からが売れ筋。なかでも「100万円前後のソファがよく売れています」という。
どんな人が買っているのか聞いてみると、「40〜50歳代の、いわゆる富裕層が多いですが、アベノミクスの影響もあってか、最近は30歳代のお客さまも増えています」と、やはりメインは資産家のようす。「高くても質のよいものを長く使いたい人が増えているように思います」と話している。
また、日本テレビが2014年3月19日に放送した「ナカイの窓 芸能人100人集結!年収&恋愛&私生活 一斉調査SP」の「こだわり豪邸BEST5」の中で、デビューしたばかりの新人ハーフモデルの大沢ケイミさん(20)が、「テーブルと本棚を『カッシーナ』で揃えて買ったんですけど、たいしたことなくて350万円。安いと思います」と発言したというが、大沢さんのコメントはともかく、「カッシーナ」が「安くない」ことは間違いなさそう。
オール・アバウトでは、住宅評論家の坂根康弘氏が高級マンションに似合う、心地よい空間づくりに当てはまる家具ブランドとして、最初に「カッシーナ」で人気のソファ「MARALUNGA(マラルンガ)」を紹介。インターネットでも、「シンプルでハイソサエティを極めた印象」「洗練された、モダンリビングによく似合うデザインなのに、質実剛健なつくり」といった声が少なくない。
13年は円安に耐えて、最終利益は2倍増
そんな「Cassina(カッシーナ)」だが、じつは日本では苦戦していた。カッシーナ・イクスシーは2007年12月期に103億円あった売上高がわずか4年で半減し、10年12月期には3期連続で経常赤字を記録するという深刻な業績不振に陥っていた。
それを店舗閉鎖や人員削減などのリストラで乗り切り、森康洋社長が就任して1年で黒字化を達成。2013年12月期は、売上高が前期比17.8%増の62億5700万円まで回復。営業利益と経常利益、当期純利益はいずれも4億円で、前期に比べて2倍超と大きく増やした。
輸入家具はアベノミクスによる円安が収益を圧迫したが、首都圏マンションの発売戸数の大幅な増加や戸建て住宅向けには活発な引き合いがみられ、数量、金額ともに増加した。アベノミクスで懐が暖かくなった資産家層が、広く新しいリビングに見合う家具にカッシーナを選んでいるようすがうかがえる。
ちなみにカッシーナ・イクスシーは、円安ユーロ高による輸入価格の上昇や原材料の価格高騰にもかかわらず、13年は商品を値上げしなかったが、4月1日から為替の影響を考慮して値上げすることにした。