暗い曲ばっかりだし、地獄の唄を歌うし最高だよ。人間椅子ライブツアーレポ
バンド生活25年!
……というのを謳い文句にしている今年の人間椅子。この言葉に、オズフェストに見に来たみうらじゅんさんも涙したそうな。
(みうらじゅんと人間椅子は『君は千手観音』などで共演しています)
しかし、あれ? 正確に数えると24年じゃないの?
実はこれ、『ど根性ガエル』の町田先生のパロディ。「教師生活25年、こんな○○はなかった!」と毎回言うギャグがあるのですが、それをネタにしたMCなので、ギターの和嶋は「これから3・4年は使っていきます!」と語っていました。
25年じゃないじゃん! でも面白いからよし!
意外なところで茶目っ気が。
さて、現在人間椅子のライブツアーが全国で行われています。
Schedule-人間椅子 人間椅子オフィシャルサイト
札幌を皮切りに日本を縦断するこのツアー、各地でソールドアウトも続出中。
札幌は、行ってみると階段までぎっちり人が詰まっている状態。以前ぼくもライブ行っていたのですが、こんな状態ははじめて。
「人間椅子」というバンド名を最近知った人も多いでしょう。
元々は青森から上京し、イカ天でブレイク。一気に話題になって、その後地道に活動を続けていました。
それが、近年ギター和嶋がももいろクローバーZでギターソロを演奏したり、オズフェストで堂々たるステージを披露したりしたことで、一気に知名度が上がりました。
新しいファンには「すごい和製ヘビーメタルバンドがいる!」と。
昔を知っている人には「ねずみ男じゃないんだ!」と。はい、もうそれは20数年前からやってません。
そんな彼らがアルバム『萬燈籠』(itunes)をリリースしてから、初のライブツアーになります。
さて何が変わっただろうか……ハラハラしながらライブを見て、一番に思ったことは何も変わっていないということです。
もちろん、最高の褒め言葉としてです。
細かい部分は変わっていますし、演奏もパワフルで確実にうまくなっている。
特に「重い音」にこだわる彼らのライブは、繰り返されるごとに「重く」なっています。
しかし、浮わついたり、迷走したり一切していない。
25年(あえてこれでいきます)、彼らの「音」は変わってもスタンスは一切変わらない。
これが、人間椅子のライブの最大の魅力です。
あ、ドラムのナカジマノブが入って多少明るくなりましたが、ナカジマも地獄の唄を歌うようになりましたから、むしろ修正して元に戻しているくらい。
25年間、変わらないってすごいことですよ。
イカ天で初めて人間椅子が演奏し、大喝采と一部の苦笑を買ったのが『陰獣』という曲。
そりゃあのバブル期の「カッコイイ」体育会系の人達と比べたら、異質もいいところの文系ヘビーメタルでした。
しかしそこで認められた実力は、本物でした。彼らはここから本格デビューするわけですが、この『陰獣』という曲、ラヴクラフトのネタを古い日本語で歌ったものです。
当時はぼくも知らなかったのですが、言われて歌詞をみるとなるほど。
『萬燈籠』に収録され、ライブでも演奏された曲に『時間からの影』という新曲があります。
これもラヴクラフトの、時空を超越した大いなる種族を描いた作品からインスパイアされたもの。
25年、貫いてきたんです。磨き続けているのです。
もちろん、人間椅子の代表的な作品ともいえるような、日本文学を元にした曲も、これまた初期から今まで連綿とあり続けます。
序盤はガツンと重い音でテンポもおさえめな曲の連続。
あんまりにも重たいので和嶋が「暗い曲ばっかりですいません、でもここに来ている人はぼくらが暗い曲やってるのはわかってもらっていると思います」と言うくらい。
実は元々人間椅子には北海道岩見沢に今在住のキーボディストがいたことがあるそうな。
人間椅子にキーボード!?という感じですが、やはり本人達も察知していたようで途中で脱退。
それはそれで見てみたかったけど、その頃から、デビュー前から暗くて重たい音はずーっと研究し続けている。
エンタテイメントでもあるのですが、職人のライブというのが相応しんじゃないかと感じるのです。
MCこそ軽快ですが、この重たくて暗い曲が鳴り響くのは、是非見て・聞いていただきたい。
もちろん、ラストにいくにしたがって、スピード感満載の激しいあの曲やあの曲もありますよ。
「第二のデビュー」「中年デビュー」と和嶋が言う今回のツアー。
実際「名前だけ知っていたけど」とか「オズフェストで知った」とかという人、多いと思います。
そもそも25周年だったら、デビュー時に生まれてない人もいるもんね。
ライブツアーはまだまだ続きますので、この機会に是非足を運んでみてください。
25年の蓄積された音は、とっても重いよー。
メンバー3人からいただいたコメントをここで掲載させていただきます。
和嶋慎治
「バンド生活25周年を迎えて、オズフェストによって広がった感じがあり、中年を迎えて第二のデビューの気持ち、いわば中年デビューしたので、フレッシュな気持ちでこれからも活動を続けていこうと思っています。足をどんどん運んでいただければと思います、面白いこといっぱいあります」
鈴木研一
「ぼくとしてはですね、札幌だけじゃなくて、函館とか根室とか網走とか旭川とかでライブをやりたいので、いつか実現すればいいですね。その時はよろしくお願いします」
ナカジマノブ
「今回全国ツアー回るんですけど、札幌がめちゃめちゃ盛り上がったんで、ぼくらの生の演奏を、その耳とその目で、確認しに是非ライブに来てください! このツアーが終わってからも、ぼくらの活動からは目が離せなくなるはずなので、これからの発表をお楽しみに!」
人間椅子 『萬燈籠』
(たまごまご)
……というのを謳い文句にしている今年の人間椅子。この言葉に、オズフェストに見に来たみうらじゅんさんも涙したそうな。
(みうらじゅんと人間椅子は『君は千手観音』などで共演しています)
しかし、あれ? 正確に数えると24年じゃないの?
実はこれ、『ど根性ガエル』の町田先生のパロディ。「教師生活25年、こんな○○はなかった!」と毎回言うギャグがあるのですが、それをネタにしたMCなので、ギターの和嶋は「これから3・4年は使っていきます!」と語っていました。
25年じゃないじゃん! でも面白いからよし!
意外なところで茶目っ気が。
Schedule-人間椅子 人間椅子オフィシャルサイト
札幌を皮切りに日本を縦断するこのツアー、各地でソールドアウトも続出中。
札幌は、行ってみると階段までぎっちり人が詰まっている状態。以前ぼくもライブ行っていたのですが、こんな状態ははじめて。
「人間椅子」というバンド名を最近知った人も多いでしょう。
元々は青森から上京し、イカ天でブレイク。一気に話題になって、その後地道に活動を続けていました。
それが、近年ギター和嶋がももいろクローバーZでギターソロを演奏したり、オズフェストで堂々たるステージを披露したりしたことで、一気に知名度が上がりました。
新しいファンには「すごい和製ヘビーメタルバンドがいる!」と。
昔を知っている人には「ねずみ男じゃないんだ!」と。はい、もうそれは20数年前からやってません。
そんな彼らがアルバム『萬燈籠』(itunes)をリリースしてから、初のライブツアーになります。
さて何が変わっただろうか……ハラハラしながらライブを見て、一番に思ったことは何も変わっていないということです。
もちろん、最高の褒め言葉としてです。
細かい部分は変わっていますし、演奏もパワフルで確実にうまくなっている。
特に「重い音」にこだわる彼らのライブは、繰り返されるごとに「重く」なっています。
しかし、浮わついたり、迷走したり一切していない。
25年(あえてこれでいきます)、彼らの「音」は変わってもスタンスは一切変わらない。
これが、人間椅子のライブの最大の魅力です。
あ、ドラムのナカジマノブが入って多少明るくなりましたが、ナカジマも地獄の唄を歌うようになりましたから、むしろ修正して元に戻しているくらい。
25年間、変わらないってすごいことですよ。
イカ天で初めて人間椅子が演奏し、大喝采と一部の苦笑を買ったのが『陰獣』という曲。
そりゃあのバブル期の「カッコイイ」体育会系の人達と比べたら、異質もいいところの文系ヘビーメタルでした。
しかしそこで認められた実力は、本物でした。彼らはここから本格デビューするわけですが、この『陰獣』という曲、ラヴクラフトのネタを古い日本語で歌ったものです。
当時はぼくも知らなかったのですが、言われて歌詞をみるとなるほど。
『萬燈籠』に収録され、ライブでも演奏された曲に『時間からの影』という新曲があります。
これもラヴクラフトの、時空を超越した大いなる種族を描いた作品からインスパイアされたもの。
25年、貫いてきたんです。磨き続けているのです。
もちろん、人間椅子の代表的な作品ともいえるような、日本文学を元にした曲も、これまた初期から今まで連綿とあり続けます。
序盤はガツンと重い音でテンポもおさえめな曲の連続。
あんまりにも重たいので和嶋が「暗い曲ばっかりですいません、でもここに来ている人はぼくらが暗い曲やってるのはわかってもらっていると思います」と言うくらい。
実は元々人間椅子には北海道岩見沢に今在住のキーボディストがいたことがあるそうな。
人間椅子にキーボード!?という感じですが、やはり本人達も察知していたようで途中で脱退。
それはそれで見てみたかったけど、その頃から、デビュー前から暗くて重たい音はずーっと研究し続けている。
エンタテイメントでもあるのですが、職人のライブというのが相応しんじゃないかと感じるのです。
MCこそ軽快ですが、この重たくて暗い曲が鳴り響くのは、是非見て・聞いていただきたい。
もちろん、ラストにいくにしたがって、スピード感満載の激しいあの曲やあの曲もありますよ。
「第二のデビュー」「中年デビュー」と和嶋が言う今回のツアー。
実際「名前だけ知っていたけど」とか「オズフェストで知った」とかという人、多いと思います。
そもそも25周年だったら、デビュー時に生まれてない人もいるもんね。
ライブツアーはまだまだ続きますので、この機会に是非足を運んでみてください。
25年の蓄積された音は、とっても重いよー。
メンバー3人からいただいたコメントをここで掲載させていただきます。
和嶋慎治
「バンド生活25周年を迎えて、オズフェストによって広がった感じがあり、中年を迎えて第二のデビューの気持ち、いわば中年デビューしたので、フレッシュな気持ちでこれからも活動を続けていこうと思っています。足をどんどん運んでいただければと思います、面白いこといっぱいあります」
鈴木研一
「ぼくとしてはですね、札幌だけじゃなくて、函館とか根室とか網走とか旭川とかでライブをやりたいので、いつか実現すればいいですね。その時はよろしくお願いします」
ナカジマノブ
「今回全国ツアー回るんですけど、札幌がめちゃめちゃ盛り上がったんで、ぼくらの生の演奏を、その耳とその目で、確認しに是非ライブに来てください! このツアーが終わってからも、ぼくらの活動からは目が離せなくなるはずなので、これからの発表をお楽しみに!」
人間椅子 『萬燈籠』
(たまごまご)