/縁故もバックも無しに就職活動をがんばってみたところで、この国の不公平さを思い知らされるだけ。だが、それは政治家の選挙やモデルのオーディションでも同じ。本当の就職先は、売り物ではない。扉の無いところにこそ、きみの天職はある。/

 来年、卒業する学生たちは、いま就職活動のさなか。だが、遠からず現実を思い知らされるだろう。どうしてあんなのが、と思うようなやつが、安々と内定を取り付ける。一方、資料を読み込み、ペンだこを作りながら一つ一つの履歴書を丁寧に書き、前夜からスーツだのなんだのきれいに準備して、高い交通費をかけ、遠方まで時間に余裕を持って訪れるきみは、いつまでも何の手応えも得られない。どこも、だれも、きみを歓迎してはくれない。気が滅入るのも当然だ。

 だが、いままで気がつかなかった方がどうかしている。たとえば、この国の総理大臣を見てみろ。小泉さん、阿倍さん、福田さん、麻生さん、鳩山さん。俳優やタレントも、二世ばっかり。さもなければ、外国人のハーフだの、在日だの、SGIだの、業界ドンのオキニだの。この国は、そういう国なんだよ。同じ大学だろうとなんだろうと、親がどうこう、親族がどうこう、バックがどうこうの方が圧倒的に人事に影響する。それ以外の出る杭は叩かれる。かろうじで中に入れても、一方は、傷物にならない安全ポジション。派手に立ち回っても、有望な若大将と歓迎され、ほっておいても箔を重ねる。だが、きみは、使い捨ての汚れ要員。がんばればがんばるだけ、泥をかぶらされ、最後は心を病むか、体を壊すか。

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