「3月11日、東日本を襲った未曾有の地震と津波に被災された一人ひとりが、ふたたび未来へと歩みはじめるきっかけをつくりたい。」そんな想いのもと、毎年8月11日に東北の太平洋沿岸で一斉に花火を打ち上げるプロジェクト「LIGHT UP NIPPON」。
今回は彼らが何故この活動を行うのか、そしてそのためにどのようなコミュニケーション活動を展開しているのか、その取り組みを探る。

全ては被災者の笑顔のために

LIGHT UP NIPPON(以下LUN)は、2011年3月11日に起きた東日本大震災を受けて、被災者への精神的支援として、復興と追悼の意を込めて、毎年8月11日に東北の太平洋沿岸で一斉に花火を打ち上げるために各種活動に取り組んでいる。メンバーは主旨に賛同した年齢や職種も多岐にわたる有志で構成しており、皆普段は仕事をしながら、プライベートの時間を活用して、自分の得意分野で活動に取り組んでいる。

発起人であり実行委員長を務める高田佳岳氏は、もともと大学院時代に岩手県大槌町で過ごしたこともあり、震災を受けて東北のために何か出来ないかと考えていた時に、東京湾花火大会が中止になったニュースを知った。そして花火大会が中止になったら、用意していた花火は破棄されることは容易に想像できたので、主催者の方に「どうせ破棄するならば、東北で打ち上げましょう!」と訴えたのが全ての始まりだった。それが2011年3月下旬のことで、4月上旬には初期メンバーを集め、直後から東北各地を回り、各地域の市町村に企画を説明して想いを語ることで、1年目は10か所、2年目は13か所で花火を打ち上げるまでに至った。




“認知”“理解”そして“共感”へ

そんなLUNの活動資金は募金という形で広く募っているが、それに向けてさまざまなコミュニケーション活動に取り組んでいる。

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