サムスンはアップルにディスプレイ納入を止めてしまうのか。またシャープとアップルの関係はどうなる。そこには巨大な思惑が見え隠れする。

・サムスンのアップル決別宣言

10月22日。これまでアップルに液晶を供給してきたサムスンがアップルと決別すると報じられた。The Korea Timesによると、サムスン(サムスンディスプレイ)は、これ以上アップルのディスプレイ価格についてコスト削減要求(huge price discounts)を飲むことはできず、供給を停止していくという。また、アップルとのビジネスがなくなったとしても、キンドルや自社商品によって代替できるという(the right alternatives)。しかし、この報道について、米CNETは誤報であると匿名サムスン幹部のコメントを伝えており、現時点ではほんとうのことはわからない。

ただし、関係者からすると「予想できた」事態ともいえる。各国でのサムスン対アップルの訴訟合戦は広く知られている。Google対アップルの代理戦争ともいわれるこの闘いは、次世代のスマートフォン覇者を決める争いとして注目された。これまで、サムスンとアップルは表面上「敵」であるものの、部品供給の面では「パートナー」でもあった。同じくThe Korea Timesによると、この半年でサムスンディスプレイはアップルに1500万枚ものディスプレイを供給している。

しかし、「敵」と「パートナー」を使い分ける高度な二重構造も、訴訟合戦の前には変化を余儀なくされた。これまでiPhoneシリーズで使われていたサムスン部品類の多くは、他社製へと切り替わった。iPhone5で、液晶はサムスンの供給意思にかかわらず、シャープ等に代替されたし、メモリーもDRAM等も同様だ。

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