住宅ローン実行が1兆2千億円突破し、拡大加速＝住信SBIネット銀
住信SBIネット銀行は2012年10月30日までに住宅ローンの実行額が1兆2000億円を超えた。2007年9月24日の営業開始以来4年6カ月の2012年3月中旬に、住宅ローン実行額が1兆円の大台を突破してから、わずか半年あまりで2000億円の住宅ローンを実行したことになる。同行では10月1日から、開業5周年特別企画として、住宅ローン金利を大きく引き下げるキャンペーンを実施している。同行プロジェクト推進部長の嶋井謙介氏に、住宅ローンの実行額が加速している理由と、今後の取り組みについて聞いた。
嶋井氏によると、10月30日に住宅ローンの実行額が1兆2000億円を超えたことに、10月1日からの金利改定の効果は、ほとんど含まれていないという。「住宅ローンについては、実際にローンが実行されるまでには、お客さまが検討なさる時間、そして、必要な資料を揃えていただく期間、さらに、当社で審査する時間を考えると数週間のタイムラグが発生します」という理由のためだ。したがって、開業5周年特別企画として打ち出した、大幅な金利引き下げの影響は11月以降に出てくるという。
同行の住宅ローン実行額は、1000億円を突破したのが2008年11月。1000億円の実行までに、開業から1年あまりの期間を要したことになる。それが2012年3月に実行額1兆円を突破してからは、ほぼ3カ月間ごとに1000億円の住宅ローンを実行している計算になる。既に、住宅ローンの実行額では、他のネット銀行を引き離している。この好調の要因について、「当社の住宅ローンの利便性の高さについて理解が深まってきたため」（嶋井氏）と分析している。
同行の住宅ローンについては、（1） 魅力的な金利、（2） ミックス・ローンで金利タイプ（変動金利と固定金利）を組み合わせ可能、（3） 団信、8疾病保障の顧客負担がゼロ円、（4） 一部繰上げ返済は1円から、手数料はゼロ円――などのメリットの他、契約まで来店不要で実行が可能なこと。さらに、シミュレーション機能が充実している。特に、「ネット銀行を使われるお客さまは、金利に関する感度が敏感なので、金利引き下げキャンペーンへの注目度が高く、かつ、一部繰上げ返済についても積極的に利用なさっています」（嶋井氏）という。
その点で、10月から実施している開業5周年の住宅ローンの金利大幅引き下げによって、一段と住宅ローンへの注目度が増すとみている。嶋井氏によると、「今回の金利改定によって、当社史上最強の住宅ローン商品になりました。これは、一般に取り扱われている、どの銀行の住宅ローンと比較していただいても負けていないと思います」と自信を持って言い切っている。
10月からは、固定金利特約タイプ3年、10年、20年、30年、35年の当初特約期間の金利を大幅に引き下げた。なかでも、3年固定については、特約期間終了後において基準金利から1．8％の金利引き下げを実行するという内容にしている。これによって、3年固定の当初金利は0．75％と、変動金利よりも低くなった。かつ、現在の金利水準が続けば、固定特約期間終了後でも実行金利は年0．975％になる。このような金利引き下げによって、10月以降の住宅ローン申込み件数は、金利改定前よりも月間20％増に拡大したという。
「3年固定については、特約固定金利期間が終わった後で、変動金利に変わるときに金利が跳ね上がるのではないかという不安があって使いづらいという、お客さまのご要望にお応えして、新たに開発しました。今後もお客さまのご要望にお応えして、より良いサービスを提供していきます」（嶋井氏）としている。（編集担当：風間浩）
