2010年4月に実施された「全国お花見調査」によると、サクラについて「とっても好き」と回答した日本人は85%に達し、14%の日本人が「まあまあ好き」と回答するなど、日本人でサクラを嫌いだという人はかなり少ない。日本人はなぜサクラが好きなのか、中国メディアの青年導報網が6日、日本人がサクラを好む理由を分析した。

 記事によれば、日本における花見の習慣は遣唐使にあるという。当時、中国では女性の則天武后が国を治めており、毎年大規模な花見の宴会が開かれていた。宴会に参加した遣唐使が日本に伝えたものが花見となり、日本の宮廷では当初、梅を観賞していたのだが、平安時代から徐々にサクラに変わっていった。

 一般の人びとに花見の習慣が広まったのは江戸時代からだ。江戸幕府第8代将軍の徳川吉宗は、幕府政治に対する不満を和らげるために日本各地にサクラを植えたが、数ある花の中からサクラを選んだ理由は、江戸時代に「花は桜木、人は武士、柱は檜、魚はタイ」という歌が人びとの間で親しまれていたからだとされる。

 農耕民族である日本人は温度を科学的に計測する手段がない時代に、サクラの開花時期から冬の終わりを知り、田植えを始めていた。

 記事は、「日本人が最初に関心を抱いたのはサクラの美しさではなく、人びとと密接な関係を長く保ってきたこの樹木が春の到来を教えてくれることだった。これこそサクラが日本人の心に入っていった主要な原因といえるだろう」と結んだ。(編集担当:及川源十郎)