勝ち点で10の差はあるけど、一応は4位と5位の上位直接対決だけあって、まさにがっぷり四つといった言葉がしっくり来るソリッドで緊張感溢れる試合だった。

何せフォーメーションが同じな上に、どちらもガッチリと布陣をコンパクトにして素早く攻めるサッカーをやるチームなだけに、ほぼ全ての局面で激しい「ツヴァイカンプフ」が行われ続け、ほとんど綺麗に崩して攻めきるような場面がどちらも作れず、決して荒れているわけではないが激しい当たりで選手が倒れる場面が目立つ。

そういう試合で物を言うのは、やはり個人の決定力。前半はわずかに押し気味だったシャルケが、18分にフクスが左サイドから上げたクロスが、DFの間でわずかにフリーでいたフンテラールの頭にピッタリ合い、好調のフンテラールはそれを正確にゴールのファーサイドへと流しこむ完璧な得点でシャルケが先制する。

後半になると、ハーフタイムでのハッパが効いたのかレヴァークーゼンがサイドを中心にガツンと前に出てくるようになる。内田も前半ほど攻撃に絡むことが出来なくなり、縦へのボールにしっかりと当たって相手の動きを止め、そこからの裏への展開にも反応が遅れることがなく、今までのような「待ち」の守備になってない事は非常に良かった。

運動量も最後まで落ちずに精力的につなぎの役目を果たしてはいたが、その分サイド攻撃についてはファルファンの突破にお任せになってしまったところはまあ仕方ないか。そこまでやれたら絶好調の長友レベルだしね。しかしそのファルファンが仕事をして、86分に彼の突破からまたしてもフンテラールがゴール前でうまくフリーになり2点目。後は最後まで気を抜かずに試合を締めて終了。

これでシャルケはホッフェンハイムに敗れたボルシア・メンヘングラードバッハに変わって3位浮上。最近の攻守の噛み合い方を見ると、完全にCLストレートインが見えて来たと言える。さらにシャルケはヘヴェデスが復帰という明るい材料があるのだが、内田とかぶるポジションなので日本人的にはうーんという感じ(笑)。

まあ、シュツットガルトですっかり先発で固まってしまった酒井高徳の例を見ても、勝っているチームはいじらないのが普通なので、これですぐに内田がサブになるとは思えないが、一瞬でも気を抜くとまた抜かれる事になるのは確実なので、内田にとってもチームにとってもこれからが正念場だろう。