ギュッと握り、親と子が繋がった。

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人通りの多い場所。たとえば遊園地とか駅とかデパートとか。「はぐれないでね!」「見失わないでね?」といった親心と共に、我が子に差し伸べる温かい手。幼き頃の自分を思い出すし、いつか私が差し伸べる側になる時がやって来るかもしれない。

でも、どうする? お母さんの手が荷物でイッパイだったとしたら。家の中でだって、あるだろう。かまって欲しそうな我が子。でも、こっちは夕飯の準備の真っ最中。包丁を持ってるし、熱い鍋を持ってるし、手が油でベトベトだし……。
本当はお父さんやお母さんが手をつないであげられたら、一番いいんですよ? だけど、どうしても難しい時はコレの出番かもしれない。オンラインショップの「密買東京」にて発売されているのは、その名も『こわっか』。

これは、見覚えのある……。そう、つり革です。それも、可愛らしい子供サイズ。子供用のつり革だ、これは! ん、子供用のつり革……?
使い方は、ズボンのベルトループなんかに付けたりするといいかもしれない。そうすると、お子さんの目の前に出現するは自分用のつり革。寂しい思いにならないし、ギュッと握って繋がっていられる。
ちなみにこの『こわっか』を製作したのは、デザイナーの小野里奈さん(rinao design)。
「本当は道具を使って簡単に解決するのではなくて、お父さんお母さんと触れ合って解決されるのが一番いいという思いもあり、商品化してもいいのかどうか小野さんも半年ほど悩んでいたそうです」(密買東京・担当者)
ただ、そうも言っていられない場合について。「ちゃんと一人で歩きなさい」「ちょっと一人で遊んでなさい!」じゃなく、「ほら、ここにつかまってごらん」って言ってあげられた方が、よっぽど愛は伝わると思うのです。

ところで、この『こわっか』を製作したきっかけは? なぜ、つり革を思い付いたんだろうか。
「まず、子供がつり革が好きなことが多いというのが一番の理由です。電車の中などで、子供がお父さんに『つり革、つかまりたいー』っておねだりしているのを目にすることが多かったんです」(小野さん)
さらに、子供を連れて歩くお母さんがテンパってしまい「ちゃんとしなさい!」と怒鳴っている姿も街中で目撃。「そんな風にならないよう、お母さんやお父さんにつかまっていられたら……」と考えたのも、きっかけの一つだそうだ。

そして、この“子供用のつり革”は、通常のつり革とサイズだけでなく素材も違う。わっかの部分は、無垢の木を削って作ってある。細くて小さなわっかだが、壊れて怪我などしないように検討し、ようやくたどりついたのがこのメープルのわっかなのだ。ベルトの部分については、革の職人さんによる手作りだそう。
使えば使うほどに風合いが出てくるので、お子さんが大きくなって使わなくなったら、タオル掛けなどインテリアとして使うのも良いだろう。

そんな『こわっか』の価格は、3,150円(税込み)。自分用に、プレゼント用に、コンスタントな人気を誇っている。ただ完全に手作りなので大量には作れず、時期によっては品切れしてしまうこともある人気商品である。

「ここにつかまって!」という親心が形になった、このつり革。お子さんと親御さんの気持ちが離れないよう、そっと結ぶわっかだ。
(寺西ジャジューカ)