誰しもが孤立死について考えておくべきかもしれません。

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今や社会問題になって孤独死。その対策には何があるのか? 予防する方法はあるのか? もしそうなってしまったらどうなるのか? などを『孤独死の作法』という本の著者に聞いてみた。
この本の著者は、市川愛さん。市川さんの本業は、葬儀現場でのサポートサービスや葬儀に関する疑問などの相談に乗ってくれる葬儀コンサルタントさんだそうです。
長く死と関わってきた市川さん曰く、「孤独死は、いくら防ごうとしても防げないものです。予防しても死に方をみなさん選べません。たとえご家族がいても、病院で死ぬときに周りに誰もいない場合は、孤独死になってしまう。当然、看取られないという意味では、一人暮らしのほうが可能性が高くなります」とのこと。
しかし、孤独死とは、誰にでも起きてしまう可能性があると市川さんは言います。
「孤独死とは、一人で息を引き取るということを指すことばであって、一般にイメージされている放置されてそのあと腐敗してしまうという死に方は“孤立死”と定義しています。問題なのは、孤立死のほう」で、一番の気にかかるところです。

「たとえば、世間とのかかわりを拒絶していたり、引きこもり同じ屋根の下にいても可能性はある。ある大物女優さんは、広い家で自分の部屋には兄弟でも入れなかった。そのため死後、暫く発見できなかった。人との関わりを拒んで亡くなってしまった方が迎えてしまうのが、孤立死。みんなが本当に避けたいのはこちらだと思う」と市川さん。「孤立死の遺体は、近隣住人が気付くまで放置されます。見つかったときには、腐敗していることも少なくない」そうです。
では、その孤立死を避けるにはどうしたらいいのでしょう?

第一に孤立死を避ける対策としては、自ら動いて、早期発見してもらうためのセーフティネットを張ること。そのセーフティネットとは、何か連絡がなかったときにあれ? と心配してもらえる人を作る。具体的には、心配してくれるようなコミュニティに属する。毎日のメールのやり取りを習慣化する。お年寄りの一人暮らしでは、ポットを使ったら一日一回家族にメールが行くような通信機能付きの家電を利用する、などの対策をしておくべきだと言います。
次に、もしもののとき発見者や周りに迷惑がかからないように手段を講じておくこと。必要な連絡先を書いて分かりやすい所においておく。エンディングノートなどに、弔い方法を書いておく。財産やペットの処遇などを決めて書いておく、など死後なるべく迷惑をかけないように準備しておくことも必要になります。

「結婚しなければおひとりさまです。結婚していても、子どもたちが独立していて、連れ合いに先立たれたら同じ。30〜40代の人は、ずっと先のことだといって考えさえしないことが多い。自分にもその危険性があることを事前に話合っておけるか。自分とは関係ないと思っていても5年先はわかっても10年先は人がどうなるかはわからないです」と市川さん。
30代の人は40%が単身世帯という現代、誰しもが孤立死について考えておくべきかもしれませんね。
(カシハラ@姐御)