念願の最新スマホを手に入れたぞ! さて、あなたはシートを貼る? 貼らない?

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スマホ(スマートフォン)を買ったらまず、何をするだろうか。

スマホに限らず、大きな液晶画面を備えたアイテムを買ったら、真っ先に保護シートを貼るという人は多いはず。だけど、保護シートなんて面倒だから貼らない! という人も割と多い気がする。確かに、あのシートを貼るのは大変だ。
うまく貼れたと思っても、ホコリや気泡が入ってガッカリ……なんてケースはザラ。でもでも、そんなことよりも実際のところ保護シートって必要なの? 不必要なの?

この謎を解決すべく、スマホメーカー各社に調査をおこなった。
結論から言ってしまうと、メーカーとしては「保護シートの使用を特別に推奨してはいない」とのこと。各社さまざまな工夫を施しているようだ。

たとえば、液晶の表面に特殊なシートを貼っているパターン。
「Xperia」シリーズでおなじみのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの製品は、液晶表面に被散防止シートが貼ってある。
すでに1枚、シートが貼ってあるなんて夢にも思わないくらいの精度で、ピッタリ貼りついているのだ。
このシートには万が一ガラスが割れた際に破片の飛び散りを防ぐだけでなく、細かいキズから画面を守る効果もある。

また、液晶部分のガラスに、キズのつきにくい特殊なものを採用しているという例もある。
韓国サムスン電子開発の「GALAXY」シリーズは、液晶部分に米コーニング社製の「ゴリラガラス」を採用している。
名前からして屈強そうなこの特殊ガラス。高い防傷、対衝撃性能を誇っており、一般的なプラスチックを遥かに超える強度だという。

なんだ、それなら無理にシートを貼ろうとして苦労する必要はないんじゃないか。
……と、思っていたのだが、ネット上で保護シート推奨派の意見を聞くうちに、キズを防ぐ以外の利点も多いことに気づいてしまった。それは、こんなところだ。

1. 画面に触れても指紋がつきにくくなる
画面が指の油で虹色になるのを避けたいなら、指紋を防ぐタイプのシートを使おう。完全に指紋がつかなくなる、というわけではないが、指紋は確かにつきにくくなる。

2. 反射や映り込みをおさえて画面を見やすくする
天井の蛍光灯が映り込んで美しい液晶がダイナシだと感じたら、反射防止効果のあるシートを使うべし。目への負担も、いくらか軽減される。

3. 覗き見を防止できる
覗き見防止シートを貼れば、斜めから覗き込んだ場合に画面が見えにくくなる。角度によってイラストが見える、キャラクターものの商品も多い。

4. 本体が耐えられないようなキズもある程度防げる
保護シートについたキズが気になったら、また新しいシートを買えばいいだけだ。しかし本体に直接ダメージがあると、修理の手間がかかってしまう。

ただし、保護シートもメリットばかりではない。シートを通すことで、元々の画面から色合いが変わって見えることもある。また、タッチ操作の感触がわずかに変わってしまうのも避けられない。

しかしながら、落としたときが怖い派の筆者としてはどうしてもシートを貼りたい。貼りたいのに、我々の前には毎回大きな壁が立ちふさがる。気泡が、ホコリが、シートと画面の間に入りまくるのだ。一体どうすればキレイに貼れるのか……。

そうだ、プロに聞こう。

株式会社ヨドバシカメラのマルチメディアAkiba店では、保護シートの貼りつけサービスをおこなっている。料金は300円だが、アフターサービスポイントを利用できる。貼りつけたい保護シートは別途、店内で購入する必要がある。時間は最短で20分くらい。週末や新機種の発売直後など、込み合う場合は1時間くらいかかることもあるそうだ。
なお、このサービスの対象となるのはデジカメとスマートフォンのみ。iPadのようなタブレット端末などは対象外なので注意したい。

早速、同店リペアチームの小前さんに、プロの貼りつけテクニックをうかがった。

――保護シートを貼りつけるときに、お使いになっている道具があれば教えてください。
「貼りつけの前に清掃をおこなうのですが、その際にエアブロアーを使っています。指紋などの汚れがある場合は、アルコールやレンズクリーナーなど、揮発性の高い洗浄液を含ませた布でふき取っています」

――しっかり清掃してから貼るわけですね。
「はい、清掃の後に貼りつけます。その際の注意点としては、シートの位置合わせを正確におこなうことです。シートを台紙から1/3程度はがし、貼りつけ面の一辺に合わせてゆっくり貼りつけるとキレイにできますよ」

――ふむふむ。……慎重にやっても、どうしても失敗してしまうという人にアドバイスはありますか?
「位置がずれてしまった場合は、シートの表面にマスキングテープを貼りつけてシートをはがします。それから、位置合わせをして貼りなおすんです。ゴミが混入しているときも、同じようにシートをはがし、シートに付着しているゴミをテープで除去します」

――なるほど、マスキングテープとエアブロアーを用意して、チャレンジしてみます! ありがとうございました!

今回の調査で、スマホメーカーは最低限、保護シートがなくても大丈夫なように設計していることがわかった。しかし、保護シートには簡単な防護以上の効果がある。
保護シートを使うか使わないかは自分次第だが、工夫してシートを貼りつけたスマホには、いつも以上に愛着が湧くはず。それが結果的に、スマホのキズを減らす近道になるかもしれない。
(EL_NAMEKATA/プロップ・アイ)