相田みつを氏が命名&デザインなどを手掛けた「チャット」という宇都宮銘菓。パッケージもかわいい。

写真拡大

昨年、野田首相が就任した頃、「どじょうのように泥くさく、国民のために汗をかきたい」という発言から、「どじょう内閣」が通称となった。言わずと知れた、書家の相田みつを氏の作品「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」からの引用である。

この発言以降、東京・丸の内にある相田みつを美術館の来館者数が急増したという報道も当時、目にした記憶があるけど、野田内閣が増税路線を打ち出す中、現在の来場者数はどうなのだろう? と気になるところ……。

ところで、最近ある物産展でこんなお菓子を発見した。栃木県・宇都宮銘菓の「チャット」というお菓子である。昭和から変わってなさそうなレトロな書体、小鳥をあしらったパッケージがなんともかわいい。実はこれ、相田みつを氏が命名&デザインなどを手掛けたものなのだとか(!)。

製造元の「うさぎや」さんにお話を伺ってみたところ、「チャット」は1960年代に発売されたお菓子で、その当時、相田みつを氏は今でいうコピーライター的な仕事をしており、ネーミングや包装紙のデザイン案を手掛けるなどしていたのだとか。「チャット」とは、ネット用語でいう「お茶のみ話、気らくなおしゃべり」と同じ意味で、そんな楽しいティータイムにいつもそばにあるお菓子であれば……という想いを込めて命名。小鳥の意匠も、原案はみつを氏が考案したものという。

相田みつをはあまりにも有名すぎて、説教臭く苦手な世界観なのでは……と食わず嫌いだった私。が、実際に読んでみると結構共感できるところがあったりして、こんなモダンなネーミングとデザインの原案もつくっていたとは……やるじゃん、みつを。とひそかにファンになった次第。

中身は白あん入りのおまんじゅうで、プレーンとチョコ味の2種類があり、宇都宮の百貨店やお土産屋さんの他、ネット通販などでも手に入る。

「うさぎや」さんによれば、みつを氏の故郷である栃木県には他にもいくつか彼が手掛けたお菓子があるそうで、たとえば足利の「香雲堂」というお店の「古印最中」のパッケージやしおりもみつを作品とか。「相田みつを美術館」では、年に一度、これらのお菓子を集めた催しなども開かれているそうで、こちらも気になるところ……。

春に向け、ダイエットが気になる季節だけれど、食欲にはどうしても勝てない。だって、人間だもの。と、開き直りつつ、ぜひ皆さんも宇都宮銘菓「チャット」を食してみてはいかがでしょう?
(まめこ)