日本版HuluはHuluにしてHuluにあらず？【デジ通】

最近、米国のビデオオンデマンドサービス「Hulu」の日本語版サービスが開始されたが、個人的には、これはHuluという気がしない。今回は僕がそう考える理由をご紹介しよう。（一条真人）

■そもそもHuluって何だ？
さて、Huluには無料のHuluと有料のHulu Plus（$7.99/月）がある。この無料版では、最近、放送された人気テレビ番組を最近の5本まで見ることができる。これによって、ユーザーはリアルタイムで番組を見そびれても、好きな時に最近の番組をチェックできるというわけだ。Plusでは5本だけではなく、現在放映中のシーズンのすべてを見られる。テレビ番組以外に映画もあり、PLusではより多くのタイトルが見られるが、映画はあまりビッグタイトルが豊富ではないと思う。僕のなかではおもに放映中のテレビを無料でフレックスでチェックできるサービスがHuluだ。

■日本語版のHuluを見てみると
これに対して、日本語版のHuluは映画とテレビドラマで構成されるが、テレビドラマは現在のテレビ放映とは関係ない、既存のDVDなどで販売されているようなハリウッドコンテンツなのである。日本のテレビとの連動は知著作権の関係で難しいだろうし、僕も日本のテレビドラマなどにはあまり興味がないのでどうでもいいが、Huluの持つリアルタイム性がそこにはない。

■現時点のコンテンツのプアさが残念
映画に関しても、現時点ではあまりアトラクティブではない気がする。黒船と呼ぶには、コンテンツはやや力不足に思う。ドラマにしても映画にしても、今後の拡充が宣言されているので、映画好きや海外ドラマ好きは今後、よりコンテンツがリッチになってから契約するのがお勧めかも知れない。もちろん、現時点のラインアップで見たいものがあれば、すぐに契約してもかまわないのは言うまでもない。

■対応デバイスが多いのが救い
現在、再生環境はパソコン（Windows、Mac）に加えて、iPhone、iPad、Android、パナソニックの一部のＴＶにも対応するなど、多くのデバイスに対応するのが救いだ。将来的にはPS3やXBOX360も対応するという。なお、スマートフォンで視聴する場合、3G通信でHuluを見ていたら、すぐに過重通信で帯域制限をかけられてしまうだろうから、WiMAXなどのモバイルルータを使うのがお勧めだ。