中国・浙江省の銭塘江の海嘯(かいしょう)で、17日現在、見物客など少なくとも3人が死亡していることが分かった。14日に1人、15日に1人、17日に1人など。銭塘江の海嘯は以前から有名だが、昨今とみに見物客が多く、事故が相次いでいる。また、2011年の海嘯は例年になく大規模なものだという。

 銭塘江(せんとうこう)は浙江省を流れる河川で、仙霞嶺山脈を源として杭州湾に注いでいる。別名に浙江、折江、曲江、之江、羅刹江がある。こうした別名が示すとおり、蛇行した流路で、ラッパ状に開いた河口に流れ込む。外界の潮流とあわせ、こうした特長が海嘯を発生させる。

 海嘯は河口に入る潮波が垂直壁となって川を逆流する現象。銭塘江の海嘯は「銭塘江潮」「銭塘潮」などとも呼ばれ、世界的にも有名だ。毎年8月半ば、旧暦の十五夜のときに発生する。浙江省杭州市では、伝統の食品である月餅を食べながら、この海嘯を見物する風習がある。(編集担当:鈴木義純)