【シュツットガルト×シャルケ】 MF岡崎慎司 開幕戦でファインゴール
■ 開幕戦
ブンデスリーガの開幕戦。昨シーズン12位のシュツットガルトと14位のシャルケの対戦。開幕節は日本人ダービーが4つも組まれているが、このカードは、MF岡崎とDF内田と対決となる。
ホームのシュツットガルトは「4-2-3-1」。GKウルライヒ。DFブラルズ、タシ、ロドリゲス、モリナロ。MFクヴィスト、クズマノヴィッチ、ハルニク、ハイナル、ゲントナー。FWカカウ。日本代表のMF岡崎はベンチスタート。FWカカウは最新のドイツ代表に招集されている。
対するシャルケは「4-2-2-1-1」。GKフェーマン。DFヘーガー、パパドプロス、ヘヴェデス、フクス。MFジョーンズ、マティプ、バウムヨハン、ホルトビー。FWラウール、フンテラール。日本代表のDF内田はベンチスタート。
■ シュツットガルトが快勝
試合は立ち上がりからホームのシュツットガルトがペースを握る。右サイドのMFハルニクが積極的に裏のスペースに飛び出して行ってチャンスを作る。先制ゴールは前半37分。セットプレーからDFロドリゲスが落としたボールをゴール前のFWカカウがヘディングで押し込んで先制に成功。前半は1対0でシュツットガルトがリードして折り返す。
試合を優位に進めるシュツットガルトは後半11分にもクイックリスタートから、左サイドを駆け上がったDFモリナロのクロスをファーサイドのMFハルニクがヘディングで決めて2対0とリードを広げる。ハンガリー代表のMFハイナルは2ゴールに絡む活躍。
2点リードのシュツットガルトは、後半34分にMFハイナルに代えてMF岡崎を投入。すると、後半44分にサイドチェンジのボールを受けたMF岡崎がうまいコントロールからドリブルで切れ込んで左足を振りぬくと、ネット隅に鮮やかに決まって3点目。3対0とリードを広げる。MF岡崎はブンデスリーガでは通算3ゴール目となった。
結局、試合は3対0でシュツットガルトが圧勝。好スタートを切った。一方のシャルケは、攻守とも不満足な出来で完敗。なお、DF内田の出場機会はなかった。
■ FWカカウが先制ゴール
昨シーズンは、終盤戦まで降格の可能性もあって、大低迷したシュツットガルトだったが、今シーズンは上位争いに加わりそうな勢いを持って、シーズンをスタートさせた。
もともと、攻撃陣はタレントが揃っているが、オーストリア代表のMFハルニク、ハンガリー代表のMFハイナル、ドイツ代表のFWカカウの3人が好調で、この3人が絡んで何度もチャンスを作った。決定機にきっちりと決められなかったことは課題として残ったが、攻撃は連携もよくて迫力のある攻めを見せた。
不安視されてきた守備陣も、後半途中に何度か危ないシーンを作られただけで完封勝利。GKウルライヒは好調を維持しており、シャルケの出来が悪かったことに助けられた部分もあるが、攻守ともに申し分ないパフォーマンスだった。
■ MF岡崎はファインゴール
プレシーズンに怪我をしたこともあって、ベンチスタートとなったMF岡崎だったが、後半34分に登場すると、ワンチャンスをものにして、見事に開幕ゴールを決めて見せた。2対0とリードしていたので「守備が第一」で、攻撃は「二の次」といえるシチュエーションだったが、うまく膨らんで、相手から消えた状態でロングボールをトラップすると、ドリブルから左足の豪快なミドルシュートでネットを揺らした。
MF岡崎というと、清水エスパルス時代は、ゴール前でクロスに対して点で合わせるゴールが多くて、お膳立てされたボールを決めるタイプの点取り屋だったが、ドイツに渡ってからは、ドリブルで仕掛けて局面を打開するプレーが増えている。昨シーズンも、ゴールにつながらなかったが、ドリブルで崩して惜しいシュートを放つシーンは多く、確実にドイツでレベルアップしてことが伺えるが、それが開幕から実る形になった。
こうなると、スタメン出場を期待したくなるが、ポジション争いは熾烈である。ライバルも結果を残していて、スタメンに戻るのは簡単ではない。現状は、1トップのFWカカウ、右サイドのMFハルニク、トップ下のMFハイナルは安泰といえるので、MF岡崎は「左サイドハーフ」でポジションを狙うのがベストで、ドイツ代表経験のあるMFゲントナーとのポジション争いとなるだろう。
■ シャルケは完敗
一方、ドルトムントとのドイツ・スーパーカップを制して、好スタートとなったはずのシャルケだったが、この日はいいところなく完敗。アウェーとはいえ、最悪の開幕戦となった。新加入選手が多く、怪我人も多いため、チームは「1つ」になりきれておらず、攻守ともにまとまりがなかった。シュツットガルトが決定機でシュートミスすることが多かったので3失点で済んだが、ピッチの数はもっと多かった。
注目されるMFホルトビーも不発。ドルトムント戦はボランチで、この試合は左サイドハーフに入ったが、ほとんどボールに絡むことなく後半途中でピッチを去った。FWラウールとMFホルトビーが共存できるかが、シャルケのポイントとされているが、共にいいところを出せずに終わった。
■ DF内田のスタメン落ちの理由は??
ゴールを決めたMF岡崎とは対照的に、シャルケのDF内田はこの日も出場機会なし。ドイツスーパーカップに続いて、新加入のDFヘーガーに右サイドバックのポジションを譲る形になっている。スタメン落ちの理由については、はっきりとした理由が伝わってきておらず、モヤモヤした感じになっている。
考えられる一番の理由は「DF内田のコンディションの問題」で、昨シーズンは過密日程だったので、その疲れが抜けずに、コンディションが上がってきていないことが考えられる。コンディションの問題だとすると上がってくるのを待つしかないが、本当にそうなのかは、試合に出場できていないので、確認することはできない。
ほかには「高さの問題」も考えられる。DFヘーガーは、資料によると「186?」なので、DF内田よりも10?も上となる。これは、無視できない身長差である。ラングニック監督が「できるだけ最終ラインに高さのある選手を起用したい。」と考えているのであれば、DFヘーガーがファーストチョイスになっても不思議ではない。
もう一つは、左サイドバックのDFフクスとの兼ね合いである。DFフクスは、オフにマインツから加入したが、シャルケでもレギュラーに定着し、彼の左からの攻撃参加が大きな武器になっている。必然的に、右サイドバックは攻撃参加を自重して、バランスを取ることが要求されるが、オーバーラップに特徴のあるDF内田が好まれない理由として考えられなくもない。
■ DF内田のスタメン落ちの理由は??
したがって、スタメン落ちの理由は、いくつかの理由は考えられるが、実際のところ、ラングニック監督の考えは、よく分からないところも多い。DF内田以外にも、昨シーズンのレギュラー格だったMFフラド、FWエドゥ、MFクルゲといった選手もスタメンから外れていて、主力を入れ替えることで、大きくチームを変えたいと思っているのかもしれない。
そのため、DF内田にとっては、出番に恵まれず厳しいスタートになっているが、ドルトムント戦やシュツットガルト戦を見る限り、DFヘーガーのパフォーマンスは可もなく不可もなくといったところで、特別、何か武器のある選手のようには思えず、普通にポジション争いをする限り、DF内田が負ける要素というのは、あまり見当たらない。
もっとも、DF内田がアピールできるのは、「ビルドアップ」のところである。昨シーズンは、「ボランチのところでゲームを作れない。」というシャルケの弱点を、DF内田が補っていたところがあったが、今シーズン、これがなくなったので、最終ラインやボランチから前線に鋭いパスが送られるシーンは皆無である。チームとして、結果もでておらず、シーズンも序盤なので慌てる必要もないが、DF内田がレギュラーに戻る日は、そんなに遠くないように思う。
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■ シュツットガルトが快勝
試合は立ち上がりからホームのシュツットガルトがペースを握る。右サイドのMFハルニクが積極的に裏のスペースに飛び出して行ってチャンスを作る。先制ゴールは前半37分。セットプレーからDFロドリゲスが落としたボールをゴール前のFWカカウがヘディングで押し込んで先制に成功。前半は1対0でシュツットガルトがリードして折り返す。
試合を優位に進めるシュツットガルトは後半11分にもクイックリスタートから、左サイドを駆け上がったDFモリナロのクロスをファーサイドのMFハルニクがヘディングで決めて2対0とリードを広げる。ハンガリー代表のMFハイナルは2ゴールに絡む活躍。
2点リードのシュツットガルトは、後半34分にMFハイナルに代えてMF岡崎を投入。すると、後半44分にサイドチェンジのボールを受けたMF岡崎がうまいコントロールからドリブルで切れ込んで左足を振りぬくと、ネット隅に鮮やかに決まって3点目。3対0とリードを広げる。MF岡崎はブンデスリーガでは通算3ゴール目となった。
結局、試合は3対0でシュツットガルトが圧勝。好スタートを切った。一方のシャルケは、攻守とも不満足な出来で完敗。なお、DF内田の出場機会はなかった。
■ FWカカウが先制ゴール
昨シーズンは、終盤戦まで降格の可能性もあって、大低迷したシュツットガルトだったが、今シーズンは上位争いに加わりそうな勢いを持って、シーズンをスタートさせた。
もともと、攻撃陣はタレントが揃っているが、オーストリア代表のMFハルニク、ハンガリー代表のMFハイナル、ドイツ代表のFWカカウの3人が好調で、この3人が絡んで何度もチャンスを作った。決定機にきっちりと決められなかったことは課題として残ったが、攻撃は連携もよくて迫力のある攻めを見せた。
不安視されてきた守備陣も、後半途中に何度か危ないシーンを作られただけで完封勝利。GKウルライヒは好調を維持しており、シャルケの出来が悪かったことに助けられた部分もあるが、攻守ともに申し分ないパフォーマンスだった。
■ MF岡崎はファインゴール
プレシーズンに怪我をしたこともあって、ベンチスタートとなったMF岡崎だったが、後半34分に登場すると、ワンチャンスをものにして、見事に開幕ゴールを決めて見せた。2対0とリードしていたので「守備が第一」で、攻撃は「二の次」といえるシチュエーションだったが、うまく膨らんで、相手から消えた状態でロングボールをトラップすると、ドリブルから左足の豪快なミドルシュートでネットを揺らした。
MF岡崎というと、清水エスパルス時代は、ゴール前でクロスに対して点で合わせるゴールが多くて、お膳立てされたボールを決めるタイプの点取り屋だったが、ドイツに渡ってからは、ドリブルで仕掛けて局面を打開するプレーが増えている。昨シーズンも、ゴールにつながらなかったが、ドリブルで崩して惜しいシュートを放つシーンは多く、確実にドイツでレベルアップしてことが伺えるが、それが開幕から実る形になった。
こうなると、スタメン出場を期待したくなるが、ポジション争いは熾烈である。ライバルも結果を残していて、スタメンに戻るのは簡単ではない。現状は、1トップのFWカカウ、右サイドのMFハルニク、トップ下のMFハイナルは安泰といえるので、MF岡崎は「左サイドハーフ」でポジションを狙うのがベストで、ドイツ代表経験のあるMFゲントナーとのポジション争いとなるだろう。
■ シャルケは完敗
一方、ドルトムントとのドイツ・スーパーカップを制して、好スタートとなったはずのシャルケだったが、この日はいいところなく完敗。アウェーとはいえ、最悪の開幕戦となった。新加入選手が多く、怪我人も多いため、チームは「1つ」になりきれておらず、攻守ともにまとまりがなかった。シュツットガルトが決定機でシュートミスすることが多かったので3失点で済んだが、ピッチの数はもっと多かった。
注目されるMFホルトビーも不発。ドルトムント戦はボランチで、この試合は左サイドハーフに入ったが、ほとんどボールに絡むことなく後半途中でピッチを去った。FWラウールとMFホルトビーが共存できるかが、シャルケのポイントとされているが、共にいいところを出せずに終わった。
■ DF内田のスタメン落ちの理由は??
ゴールを決めたMF岡崎とは対照的に、シャルケのDF内田はこの日も出場機会なし。ドイツスーパーカップに続いて、新加入のDFヘーガーに右サイドバックのポジションを譲る形になっている。スタメン落ちの理由については、はっきりとした理由が伝わってきておらず、モヤモヤした感じになっている。
考えられる一番の理由は「DF内田のコンディションの問題」で、昨シーズンは過密日程だったので、その疲れが抜けずに、コンディションが上がってきていないことが考えられる。コンディションの問題だとすると上がってくるのを待つしかないが、本当にそうなのかは、試合に出場できていないので、確認することはできない。
ほかには「高さの問題」も考えられる。DFヘーガーは、資料によると「186?」なので、DF内田よりも10?も上となる。これは、無視できない身長差である。ラングニック監督が「できるだけ最終ラインに高さのある選手を起用したい。」と考えているのであれば、DFヘーガーがファーストチョイスになっても不思議ではない。
もう一つは、左サイドバックのDFフクスとの兼ね合いである。DFフクスは、オフにマインツから加入したが、シャルケでもレギュラーに定着し、彼の左からの攻撃参加が大きな武器になっている。必然的に、右サイドバックは攻撃参加を自重して、バランスを取ることが要求されるが、オーバーラップに特徴のあるDF内田が好まれない理由として考えられなくもない。
■ DF内田のスタメン落ちの理由は??
したがって、スタメン落ちの理由は、いくつかの理由は考えられるが、実際のところ、ラングニック監督の考えは、よく分からないところも多い。DF内田以外にも、昨シーズンのレギュラー格だったMFフラド、FWエドゥ、MFクルゲといった選手もスタメンから外れていて、主力を入れ替えることで、大きくチームを変えたいと思っているのかもしれない。
そのため、DF内田にとっては、出番に恵まれず厳しいスタートになっているが、ドルトムント戦やシュツットガルト戦を見る限り、DFヘーガーのパフォーマンスは可もなく不可もなくといったところで、特別、何か武器のある選手のようには思えず、普通にポジション争いをする限り、DF内田が負ける要素というのは、あまり見当たらない。
もっとも、DF内田がアピールできるのは、「ビルドアップ」のところである。昨シーズンは、「ボランチのところでゲームを作れない。」というシャルケの弱点を、DF内田が補っていたところがあったが、今シーズン、これがなくなったので、最終ラインやボランチから前線に鋭いパスが送られるシーンは皆無である。チームとして、結果もでておらず、シーズンも序盤なので慌てる必要もないが、DF内田がレギュラーに戻る日は、そんなに遠くないように思う。
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