これからの「価格」の話をしよう(3)/中ノ森 清訓
前回「価格情報のフリー(Free)化」、前々回「レベニューマネジメント」と「価格」の決まり方に大きな影響を与える二つの動きを紹介した。今回はこれらの動きがBtoB(企業間)取引にどういう影響をもたらすか予想していこう。
正直に言うと、前者の価格情報のフリー化の事例として紹介したGoogleショッピングのニュースを最初に見た時には、目の前が真っ暗になった。それは、この影響を真っ先に受けるのは、調達・購買担当者ではなく、我われ調達・購買関連サービス企業ではないかと考えたからだ。
Googleのこれまでの新サービスの展開を考えると、Googleが集めた価格情報は無料で公開されるだろう。彼らの狙いはあくまでも情報探索ニーズを集めて、彼らの収入源である課金型広告をクリックさせること。彼らは、基本的にこのビジネスモデルを崩さないので、価格情報そのものには課金されない。サプライヤにしても、価格情報をGoogleショッピングの検索対象にするのは無料で行え、そこからの自社サイトへのトラフィックの流入が見込めるため、積極的に掲載するインセンティブがある。えてして、このような売り手と買い手を結びつけるマッチングサイトは鶏が先か卵が先かの議論でなかなか立ち上がらないのが常だが、Googleの知名度があれば、その壁はやすやすとクリアするだろう。
それでも、なんとか気を落ち着けて考えると、違った構図が見えてくる。価格情報の比較が容易になると、メーカはまず細かい派生仕様やあの手この手でユーザの囲い込みを図ってくる。これは今まで通りだが、こうした動きがより激しくなるだろう。買い手企業としては、サプライヤが出してくるこれらのフリルに乗せられないようにしなければならない。
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正直に言うと、前者の価格情報のフリー化の事例として紹介したGoogleショッピングのニュースを最初に見た時には、目の前が真っ暗になった。それは、この影響を真っ先に受けるのは、調達・購買担当者ではなく、我われ調達・購買関連サービス企業ではないかと考えたからだ。
それでも、なんとか気を落ち着けて考えると、違った構図が見えてくる。価格情報の比較が容易になると、メーカはまず細かい派生仕様やあの手この手でユーザの囲い込みを図ってくる。これは今まで通りだが、こうした動きがより激しくなるだろう。買い手企業としては、サプライヤが出してくるこれらのフリルに乗せられないようにしなければならない。
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