日本マクドナルドが今月末から東京・世田谷の店舗で試験的にデリバリーサービスを開始し、来年4月までに都内で10店舗程度、夏をめどに全国展開をするという。


 デリバリーサービスは原則24時間体制。ハンバーガーやポテト、ドリンクなどの注文をコールセンターで受け付け、バイクで店舗から10分以内の地域に配達する。配達の経費、主に人件費が従来よりかかるため、そのコストは別途宅配料を顧客から徴収するか、メニューを値上げすることを検討しているという。

 マクドナルドの店舗数は、現在効率化を図るため削減中ではあるが、2010年2月時点で3,686もある。最終形としてその数のデリバリーサービスが動き出すのだ。宅配ピザ市場のリーダー企業は、売上げ・店舗数とも第1位はピザーラだが、約570店とハンバーガー業界第3位のロッテリアと同等(2位はモスバーガーの約1,360店)の店舗数しかない。また、店舗数が1,000を超えている宅配対応の外食チェーンとしては、カレーのCoCo壱番屋があるが、同社は全店対応しているわけではない。

 そもそも、消費者がデリバリーサービスに期待することとは何だろうか。
デリバリー。古い言葉で言うならば「店屋物」もしくは、「出前」。両者に続くのは「〜で済ます」という言葉なので、「味」に期待するのではなく、「手軽さ」や「時間節減効果」である。「Time save」が中核的価値なら、それがどのように実現されるかという実体は、チェーン化されたデリバリーサービスならではの「当たり外れがない」ということだ。

 マーケティングとは消費者と企業の「価値の交換活動」である。「価値」の実現と、その「対価」に注目してみよう。

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